「天地自然の理」

天地自然の理

意味:この世には宇宙全体を律する原理・原則があるという考えを基本にしており、天と地の間に生きている私たち人間の行動や運命も、大自然を支配する原理・原則に支配されている。

日々当たり前のことを

5年先、10年先のことを考えてはいたが、しかし、真の商売は、その日その日の積み重ねである。毎日の小さなこと、些細なことにも注意を払い、日々を懸命に生きていれば、だいたい間違いはない。

というのが松下幸之助の考え方であった。

雨が降れば傘をさす、そうすれば濡れないですむ

この行動は、天地自然の理に順応した姿で、いわばごく平凡なことである。商売、経営に発展の秘訣があるとすれば、それはその平凡なことをごく当たり前にやるということに尽きるのではないか。

具体的に言えば、百円で仕入れたものを適正利益を加えてお客様が買ってくれる百数十円で売る。打ったものの代金はきちんと集金する。雨が降るのに、傘もささずに濡れ放題というのは、よほど奇矯(ききょう)なひとでなければやらない。ところが松下が長年の体験のなかで見ていると、商売や集金のこととなると、どうも当たり前のことをやらないひとがちょくちょくいる。集金をしないで銀行から足りない資金を借りようとする。傘もささずに歩きだすひとが多い。成功しているひとと、失敗したひとを比べてみると、そこに理由がある。

雨が降れば傘をさす、暑くなれば薄着になる、寒くなれば厚着になる、天地自然の理というと硬くなるが、すなわち当たり前のことを日々やっていくということである。

参考著書:松下幸之助 成功の法則 著者:江口克彦

ひとは、自分を大切にしてくれる所に集まる

これは当たり前の話ですし、みんな理解できていると思うのですが、こと経営や事業に携わってくると、この「当たり前の目線」が少しずつズレてきたりします。

僕もほんのすこしばかり事業をかじったことがあるので、経験がありますが、

例えば、「この商品を100円で仕入れたが、業界の平均的な原価は約30%なので、売価は300円にしよう」

この判断は、ある種当たり前の判断なのかもしれません。

ですがこの、「当たり前」は「売り手目線」であり、「顧客目線」での売価の決定ではありません。

「この商品を200円で販売することができたら、みんな(顧客)はきっと喜んでくれる。そうすると利益はほとんど残らないかもしれないが、それでもみんな(顧客)が喜んだり、幸せな気持ちになってくれるのなら、200円で売る為の戦略を練るべきだ」

この判断は、誰目線での判断でしょうか?売り手目線の判断じゃないことは理解できますね。

しかし、商売をするうえで、利益をだすことは大前提です。

僕自身商売を行う上で一番大切なことは、利益をだすことだと考えています。

天地自然の理と商売の矛盾

松下幸之助は、天地自然の理を大切にすれば、基本的には成功できるといいます。しかし、商売の原則は利益をだすことでもあります。ここに、矛盾が生じてしまうため、こと商売になると、失敗してしまうひとがでてきてしまうということだと思います。

商売を行う上で、天地自然の理に則って「ひとが支持してくれるような商品やサービスの積み重ね」を大切にしていくのか、

それとも、利益を目的として「儲けを増大させるためにひとに支持してもらうのか」

松下幸之助は、この目的の違い(目線の違い)が徐々に明暗を分かつということを伝えたいのだと思います。

いやあしかし、頭で理解できてはいますが、これを継続していくのは難しいですよね。事業を行えば行うほどに、守っていかないといけないものが、多くなっていきますからね。

迷った時は天に訊く

あるひとが、「僕は事業を行っていて、基本的には迷うことはないが、もし万が一迷ったら、その時は【天に訊く】ようにしている」と言っていました。

最初その言葉を聞いたとき、正直全然言っている意味が分からなかったんですけど(笑)

要は【天地自然の理(原理原則)に則る】ということだと最近になってやっと気が付くことが出来ました。

僕らも今後また、事業を行うとして、もし躓いたり、迷いが生じた時は【天地自然の理】を思い出し、その先の判断を決めていきたいものですね。

 

 

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