禁煙外来のすすめ

今回は僕の兄のお話です。

僕にはふたつ年上の兄がいますが、兄はタバコを一切吸わない僕とは正反対に、10年以上タバコを吸い続けていた愛煙家でした。そんな兄が、この度遂に禁煙に成功し、そのお話を聞いて、僕自身勉強になったので、ここのブログでもシェアしたいと思います。

なぜタバコがやめられないのか?

タバコがやめられない理由は【ニコチン依存症】によるものです。

そもそもニコチンとは

ニコチンとは、植物塩基の一つで、主にタバコの葉に含まれる。揮発性の無色の油状液体。ニコチンは、昆虫に食べられることを抑制するために、タバコ植物が作り出す毒物であるが、生体に対し強い依存性を有している為、ニコチン依存症が公衆衛生上の大きな問題にもなっている。

つまり、タバコをやめるということは、ニコチン依存症という病気を治療すると言い換えることになります。ニコチン依存症は「病気」なので、意思の力で克服するのは、非常に難しいということが理解できます。

兄が治療を受けた「禁煙外来」

怪我をしてしまったら外科医へ、熱が出てしまったら内科医へ赴き、適切な治療や薬を処方してもらうのと同じように、ニコチン依存症を治療するには、同じく専門医に相談した方が、完治の成功確率は高くなります。兄が禁煙の為に赴いた病院は、診療科の一つの「禁煙外来」でした。

現在では、ニコチン依存症は「病気」であることが認識されるようになっている為、一定の条件を満たせば、健康保険を使用して禁煙治療を受けることができるようになっているようです。

*健康保険を使用して禁煙治療を受ける一定の条件

①ニコチン依存症の判定テストが5項目以上のもの

(全部で10項目あるが、喫煙者ならほぼ該当するような質問が列挙されている)

②35歳以上のものについては、1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数が200以上であるもの

例:1日10本を20年吸っている場合は、10本/日×20年=200

③ただちに禁煙を始めたいと思っているもの

④禁煙治療を受けることを文書で同意しているもの

これらの条件は、喫煙者で、やめたい意思がある方なら、ほぼ問題なく健康保険を適用した治療を受けることが出来ると思います。

ただ、過去に健康保険で禁煙治療を受けたことがあり、前回の治療の初回診療日より1年経過しておらず、再度禁煙治療を受ける場合は自由診療となるみたいなので注意してください。

なお、治療にあたり、基本的には「12週間」で「5回」の外来受診が必要となるみたいです。

※これは兄が通った病院のケースなので、病院によって違うと思います。

いずれにしても、すぐには完治しないですし、完治するまでには、ある程度継続的な努力が必要だということがわかりますね。

そもそもなぜ「ニコチン依存症者」は「ニコチンに依存してしまうのか」

タバコを吸うことにより、ニコチンを摂取します。そしてニコチンは脳に達すると、脳内でニコチン受容体を形成していきます。このニコチン受容体とニコチンがくっつくことで、ドーパミンが分泌されます。このドーパミンが、いわゆる「幸せホルモン」「やる気」の元になるものです。ちなみに脳内でニコチン受容体を形成している間は、他の受容体にくっついてドーパミンを発生させています。

そして、タバコを吸うことにより、ドーパミンが分泌されると、脳内では、次第に過剰なドーパミンが分泌されることとなります。通常非喫煙者は、適度にドーパミンを分泌させて、適度な幸せホルモンを享受していますが、喫煙者はドーパミンをタバコから強制的に外部摂取できるようになってしまう為、脳自体も、幸せホルモンが発生されている状態に慣れていきます。

そうなってくると、もはや通常発生されるドーパミンでは満足できなくなってしまうため、タバコなしでは幸せを感じることが出来なくなってしまう、「ニコチン依存症者」の出来上がりとなってしまうということです。

兄は立派なニコチン依存症者でした。いままで「禁煙ガム」や「禁煙パッチ」なるものを使用したりして、本気で禁煙しようと努力している姿も見たことがありましたが、どれも失敗に終わっていました。

最終的には本人も開き直り、一時期は

「タバコをやめるなら、俺は人間をやめる」

と言っていました。さすがにその時はひきました(笑)

それでもやっぱり、いろいろ考え、禁煙したいと意を決したらしく、自分一人ではやめられないからと、病院に赴き治療を受けました。

治療はいたって単純で、「処方された薬を飲むだけ」

タバコを吸うことで結果的に幸せホルモンが分泌されるならば、その幸せホルモンの摂取先を、処方剤に変えるというのが、基本的な治療のスタンスでした。

タバコを吸っていた時と同じような気分の落ち着きを、処方剤により持続させ、脳内で通常分泌されるドーパミンの「幸せホルモン」でも十分に満足できる段階まで、薬を段階的に弱めていくことで、タバコに頼らなくても大丈夫な状態を作り上げ、結果的に禁煙に至るという形です。

客観的にみると、それならわざわざ通院しなくても、やっていることは「タバコの本数を減らす行為」と同じなのでは?と思ったのですが、

病院に通うことで、

・目標達成に対して他人を巻き込むことができる

・時間とお金がかかる

・最初から吸わないで生活できる状態になる

という成果が得られます。順番にみていきましょう。

目標達成に対して他人を巻き込むことができる

これは、前回のブログでも同じようなことを伝えましたが、

*下記から↓

「読書量」と「時間」~2021年の目標~

他人に伝えたり、協力してもらうことで、他人に対する責任感が生じる為に、「自分の目標」から「他人との約束」にシフトします。また、自分の吐く言葉には力があり、自分の言葉には自分を導く力もあります。さらに他人を巻き込めば巻き込むほど、退路を断つことに繋がるので、できなくても言い訳が出来る目標と、他人を巻き込んだ目標だと、目標に対する姿勢が大きく変わります。これは結果に大きな違いを生みます。

時間とお金がかかる

お金や時間はかければかけるほど、【元を取りたい精神】が働くので、本当に目標を達成したければ、適切に投資はした方がいいと思っています。

新品の本を購入して読むのと、図書館で無料で借りるのとでは、本を読む姿勢や吸収力はどちらが高いか、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。

※無料を否定しているわけではありません。僕も最近は図書館で借りたりもしています。

最初から吸わないで生活できる状態になる

これは喫煙者からすると大きな違いがあるらしく、結局タバコの本数を減らす作業は、

「日常的に吸っている状態」に変わりはないので、タバコから薬に変更して、一切タバコを吸わない状態になったときに、

(あれ?意外と吸わなくてもいけるかも?)と感じるみたいです。

幸せホルモンの分泌を維持した上で、無理なくタバコを吸わない状態に身体を慣らしていく作業が、とても大切らしいです。

結論:禁煙したければ病院にいこう

結果的に僕の兄は禁煙に成功し、いまで4か月目で、今でも時々は(吸いたいな~)と感じるそうなのですが、(別に吸わなくても問題ないな~)とも思っているらしいです。(笑)

ニコチン依存症は健康保険も適用される【病気】なので、みなさんも禁煙したければ病院に通い、専門医に相談してみましょう!本日もありがとうございました。

 

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