一生懸命働いても、売上は上がらない

勤めている年数が長ければ長いほどハマってしまう罠のようなものですが、多くの場合、

あなたの情熱や費やしている時間というものは、お客様には関係ありません。

一生懸命頑張るという行為は、立派であるが根本的に間違っている

一生懸命頑張っている姿は、立派に感じるし、みていて美しいしかっこいい。周囲にそんなひとがいると、応援もしたくなる。でも、成果(売上)を求められているビジネスパーソンが、売上対策として

「日々を一生懸命頑張ること」と考えているのであれば、それは厳しい結果となる場合が多いだろう。なぜならそれは

「魚がその場所にいるかどうかはわからないけれど、釣り糸を垂らして、情熱をもって待っていたら釣れる」

と言っていることと変わりないからである。

魚を釣ることが目的の場合、

釣りたい魚が多数生息している場所で釣りをすることが前提条件であり、

釣り糸を垂らした後の、待っている時間や情熱は、釣果にほぼ影響されない。

「完璧」を求めるのは、誰の為?

「完璧な商品を販売することができれば、売上は上がるのだろうか」

ビジネスが思うようにうまくいっていないひとは、完璧を求めすぎてはいないだろうか?

そもそも、完璧の定義は個人差があるので、売り手と買い手の双方の意見が完璧だと一致することも少ないだろう。

したがって、売り手が完璧だと思ったところで、買い手はまだまだ不満点が多い商品の場合も多々あるし、逆もまた然りという事である。

「お客様の為に完璧な商品を」という理想が、いつのまにか自分のエゴを満たすだけのものにすり替わっていないか、注意したほうが良い。

品質の良し悪しは前提条件であり、優位性にはならない

前章で完璧を求めすぎるのは非推奨なるお話をしたが、

かといって品質が悪くてもいいのかというと、もちろんそんなことはない。

なぜなら今の時代、品質の良さは前提条件となっているからである。

身近でイメージしやすい飲食店の例を考えてみてほしい。

今時、「おいしくない料理を提供するレストラン」を探し出す方が、至難の業である。

品質の水準は常に上昇し続けている。

一昔前とは違い、コンビニの商品だって、すべからく美味い。

したがって、低い品質は論外となってしまうが、高い品質だとしても、それは優位性ではなく、前提条件であり、当たり前のコトなのである。

魚がいる場所で釣りをするには

魚を釣るコツは、魚がいる場所で釣りを行うことであることは、先に述べました。

魚はどこにいて、どこの場所であれば自分も釣りあげることができるのか?

闘うフィールド(釣り場所)を決めた時、まだ釣り糸を垂らしてすらいないあなたの年収(釣果)は、もうすでにある程度決まります。

(下記参照↓↓)

年収を決める3つのポイント

では、この釣り場は、どのように見極めていくのか。

ここでいう釣り場とは、「市場」である。

市場の構造は「販売者の数×見込み客の数」のことを指す。

市場の登場人物は大きく3種類で、

自社と、他社と、お客様である。

市場選定には、自分以外の2つの関係を見極めることがヒントとなるだろう。

飲食店の出店の場合

例えば僕が独立時に出店を決めたとき、

まずその地域の住んでいる人口の数と、会社の数、そしてライバルになるであろう飲食店の数を調べあげた。(釣りでいうところの、釣り場の選定と、そこで釣りをしているひとの数と、釣り場にどれだけ魚が存在しているか)

また他者(ライバル)の提供しているモノの種類を調べ、平日と週末で、他社(ライバル)のお店にどのくらいひとがはいっているのかも調べた。(釣りをしているひとたちが、どんな餌で、腕前はどうなのか、またその釣果)

そして自分のもっている武器で、その地域で勝負した場合、どのくらいの売上が期待できるかを調べ上げ、(自社もその釣り場に割り込んだ時、持っている餌で釣果は期待できるのか)

いくつかのパターンで検証した結果、想定の中では、「勝率の高い闘い」だと思ったから出店を決めた。

その時、自分の取るべき年収(釣果)も決めていた。

振り返ってみると、いくつか作ったパターンの中で、最良の結果であった。

あの時、自分の武器も、市場(闘う場所)も、そこに存在する他社(ライバル)や見込み客の数も、調べていなければ、こわくて出店できなかっただろうし、同じ結果にはなっていなかったはずである。

飲食店で売上が伸び悩む抜本的な改善策は、業態(お店そのもの)を変える

努力でどうこうできる多くの部分には限界がある。

大きく改善するには、なるべく根本(釣り場や釣り道具)から変えてしまった方が話がはやい。

成果が出ていないと伸び悩むあなたの問題は、実はあなた自身の問題ではないかもしれない。

魚を釣るためにできることは、実は釣り場に着いてからはほとんどないことを理解するべきだ。

一生懸命やることは立派であるが、根本的に間違っているその理由は、

選んだフィールドに問題があるからである

また、そのフィールドは、随時変わっている。

他者(ライバル)も見込み客(魚の数)も常に一定に保たれてはいないからだ。

したがって、選んだその場所でやるべき最も大切なことは、その場所の変化の機微を察することなのかもしれない。おしまい

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