みなさんはどんな保険に加入していますか?
僕も結婚して家族ができた時に、
自分に何かあったときに備えて、保険に入っておこう!
と考え、保険の総合デパートでもある、「保険の窓口」さんにお世話になりました。
しかし備えるといっても、不安材料はあげたらキリがなく、「どこにどこまで備えるべきなのか」も不確定要素が大きく、なかなか判断が難しいですよね。
はじめは僕も、とりあえず担当スタッフさんに、今後の不安材料や、一般的な保険の備え方などをレクチャーして頂きながら、言われるがままに保険に加入していました。
当時加入した保険、すべて合計すると月々3万5千円ほどの出費でした。
しばらくはそのまま加入していましたが、毎月3万5千円差し引かれていくのを見ていると、
保険や備えに、本当にこれだけの出費が必要か?
と考えるようになり、そこからしっかり向き合うようになりました。
そして自分で知識を深め、徐々に家族の理解も得られるようになり、少しづつ不必要だと感じる保険の解約を進め、現在ではすべて合わせても4000円程の保険金額まで収まっています。
今回は、僕が加入していた保険の中でも、最も早く解約に着手した「医療保険」のお話です。
目次
医療保険が不必要だと感じた3つの理由
僕が医療保険を見つめなおした結果、解約しようと思い立った理由は3つあります。
●健康保険の手厚い給付内容
●医療保険は他の保険と比べて割高である
●医療保険の本質とのズレ
では、次章より順番に解説していきます。
健康保険の手厚い給付内容
ひとつめの理由の「健康保険の手厚い給付内容」は次の通りです。
●医療の給付、家族療養費
●高額療養費
●出産育児一時金、家族出産育児一時金
●出産手当金
●傷病手当
●埋葬料、家族埋葬料
といった形で充実しており、あまり認知されていませんが、実はとても手厚い保険内容となっています。
※雇用者(会社員)が加入する健康保険は上記すべて該当しますが、
事業主が加入する国民健康保険は
●出産手当金
●傷病手当
は対象外となります。
この中でも、特に医療保険が関係しているのは「高額療養費」と「傷病手当」です。
高額療養費とは
高額療養費とは、月間の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、その超過額について請求すれば、あとで返金を受けることができます。(下記図を参照)
なお、同一月、同一医療機関の窓口における支払額は、自己負担限度額までとなります。
所得区分
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自己負担限度額
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① 区分ア (標準報酬月額83万円以上の方) |
252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1%
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140,100円
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② 区分イ (標準報酬月額53万〜79万円の方) |
167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1%
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93,000円
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③ 区分ウ (標準報酬月額28万〜50万円の方) |
80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1%
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44,400円
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④ 区分エ (標準報酬月額26万円以下の方) |
57,600円
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44,400円
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⑤ 区分オ(低所得者) (被保険者が市区町村民税の非課税者等) |
35,400円
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24,600円
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出典:全国健康保険協会HP
この図の中から、所得や年齢などで区分され、負担額上限が決定します。
高額療養費の計算
◇例え
●医療費が合計100万円であった
●年齢は40歳(区分「ウ」)
※「ウ」の自己負担額80,100+(総医療費ー267,000)×1%
このケースの場合、
①病院に支払った金額100万円×30%=300,000円
②自己負担額80,100+(100万円ー267,000)×1%=87,430
③高額療養費として返金される金額:①ー②=212,570円
このような計算結果となり、一か月の実質の出費は8万7千円弱で収まります。
つまり、どれだけ医療費が発生したとしても、有難いことに一か月間の費用上限値は決まっているということです。
傷病手当とは
傷病手当とは、被保険者が病気やケガを理由に会社を3日以上続けて休み、給料が支給されない場合に4日目から最長1年6ヵ月間ものあいだ支給されるものです。
◇一日当たりの支給額:
支給開始日以前12か月間の各月の標準報酬月額の平均÷30日×3分の2
見ての通り、支給額は7割ほどとなりますが、それでもかなり手厚い補償内容なのは間違いないでしょう。※傷病手当は国民健康保険(事業主が加入する保険)は対象外
健康保険は、病院代を3割負担としてくれるだけでなく、このように手厚すぎる補償内容も含まれているのです。
「医療保険は他の保険と比べて割高である」理由
ふたつめの医療保険が他の保険と比べて割高である理由は
「保険」という商品の「構造上の問題」であり、仕方のないことではあります。
なぜなら保険とは、誰かの「万が一」が起こってしまったとき、そのひとが経済的に困窮しないようにみんなで支え合う仕組みであるからです。
この「万が一」の数が、火災保険や死亡保険などと比べ、どうしても「圧倒的に多くなってしまう」ので、他の保険商品よりも価格を引き上げる必要があるのです。
したがって、医療保険は「保険」として「コストパフォーマンスに優れていない」ことが理解できます。
医療保険の本質とのズレ
三つめの理由である「医療保険の本質のズレ」を語るうえで、外せない本があります。
橘 玲:お金持ちになれる黄金の羽の広い方
こちらの本、少し内容は難しいかもしれませんが、資本主義経済の本質をついている本なので、是非読んでみてください。
そもそも保険の本質は、宝くじなどの「幸福のギャンブル」の逆側に位置する、「不幸のギャンブル」です。
この不幸のギャンブルを引いてしまったとき、経済的に困窮してしまう恐れがあるので、みんなで少しづつ費用を負担し合って、支え合うシステムになっています。
そして、医療保険で「生活が困窮する」ことに備えるならば、何カ月も社会復帰できないような、重大なケガや病気をメインとした商品設計が求められるはずです。
したがって、後に僕が医療保険に求めた内容は下記になりました。
2か月、3か月以上の長期入院が必要な場合のみ、その手当の充足。
それ以外のすべての手当や給付内容は外す(例えば入院一時金等)
しかし、当時(2年前くらい)2か月以上もの「長期にだけ備えた医療保険」は存在しないと伝えられました。
保険の本質を備えた医療保険が当時商品として存在していなかった為、僕ははじめに、いわれるがまま加入していた医療保険を解約しました。
今回の僕のお話は、賛否あると思いますし、「保険は安心を買っている」ものでもあるので、一概に正解とはいえないかもしれません。
しかし、「どこまで備え、どこまでは自分自身で賄うか」の整理ができていなければ、「安心」や「不安」の線引きが曖昧なほどに、高くつくことは間違いないでしょう。
まとめ
個人的には、短期的なトラブル用には「生活防衛資金」を専用口座に用意しておき、
それでは対応できないような「火災」や「死亡事故」に関しては保険の力を借りる。
といった形で使い分けや区別をしておくことがおすすめだと考えています。
それこそが、無駄に不安に苛まれないようになる「最大の保険」だと思っています。
また、前述した「健康保険」の中身のように「拡充されている内容」を理解しておくことも判断する上で大切になっていきます。
意外と認知されていないような情報も、こちらのブログでどんどん発信していけるよう努めますので、今後ともブログチェックの程、よろしくお願いします(*^^*)おしまい