本記事も、以前ご紹介した私的年金のご紹介です。
関連記事はそれぞれ下記から飛べるようにしておきますね(*^^*)
▽三つの私的年金のご紹介(概要)
「第一号被保険者」専用の年金制度【自営業者の為の三つの年金制度】概要編
▽付加年金
【知っておくべき”付加年金”】「第一号被保険者(自営業者)」専用の年金制度
前回ご紹介した”付加年金”は、”とてもお得な制度”だということは理解して頂いたかと思います。
今回の記事では、付加年金に続き、「国民年金基金」に関して、詳しくご紹介していきます。
目次
「国民年金基金」とは
👇概要記事より
国民年金基金とは
⇒第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給する為の年金制度
☆掛金の拠出限度額は、確定拠出年金(IDeCo等)の掛金と合算して、月額68,000円
☆基本「終身年金」
☆全額所得控除の対象
☆原則中途解約できない
☆付加年金との併用はできない
”付加年金”は、月々の年金負担額を微増させることで、年金受給額を増加させる、シンプルな仕組みでした。
しかし今回ご紹介する”国民年金基金”は、付加年金よりも金額も大きく、また掛金は”社会保険料”として、全額所得控除の対象にもなるため、節税面でも効果のある魅力的な制度となっています。
「国民年金基金」と「確定拠出年金(IDeCo)」
あれ?なんか、IDeCoと似てない?(´・ω・`)
このように感じられた方も多いと思います。
実際、同じような仕組みで、有名でもある”IDeCo”。
よく比較対象にも上がるこれらふたつの制度は、どのような違いがあるのか。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
そもそも「IDeCo」とは
iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の愛称で、「老後資金をつくるための年金制度」です。
国民年金や厚生年金などと大きく違う点は、個人が掛金を投じる先を”自分で”決定し、運用するものです。つまり”資産運用”の側面の強い制度となっています。
iDeCoの特徴
個人型確定拠出年金(iDeCo)の特徴
メリット
☆掛金は全額所得控除
☆掛金は5000円から、上限は属性により異なる
☆運用益は非課税
☆掛金の元本も、受給時に税制優遇あり(非課税ではない)
デメリット
☆掛金の運用先を自分で選択する
☆60歳まで引き出し不可
☆各種手数料が発生する
☆有期年金
☆掛金の変額は年に一回
IDeCoの説明や解説を行うと、それだけで中々のボリュームになってしまう為、今回は簡単なまとめのみとさせて頂きますが、
IDeCoは、特に”節税面”で非常に優れており、きちんと利用すればとてもメリットの高い制度のひとつとなっています。しかし、あくまで”資産運用”の側面が強い制度であるため、投資などに抵抗感の有る方も多いことと思います。特に、「有期年金(受給期間の定めがある)」と、「運用先の選定」に抵抗感を持つ方も多いでしょう。
そのような「堅実志向」の方は、次に見ていく「国民年金基金」の方が、相性は良いでしょう。
国民年金基金とIDeCoの違い
「国民年金基金」も「IDeCo」は、前に見てきたように、どちらも掛金が全額控除される、節税面でパフォーマンスの高い制度設計となっています。
ちなみに”IDeCo”の方は、資産運用で生じた”利益部分(運用益)”も非課税となります(通常運用益は20.315%課税)。
これらの内容から、IDeCoは、どちらかというと”老後資産”より”長期的な資産運用”と捉えて利用する方が”付き合いやすい制度”といえるでしょう。僕も個人的には、資産運用に抵抗がない方には、IDeCoを推奨すると思います。
しかし、
”有期年金”は長生きリスクがあるし…”
”資産運用の結果、逆に減少するかもしれないし…”
“でも、備えはやっておきたい…”
そんなニーズにお応えした(?)かのような制度が”国民年金基金”。
”国民年金基金”
⇒基本は終身年金
⇒自分で運用先を選択する必要がない
⇒将来の受給額が支払時に理解できる
これがIDeCoとの大きな違いになるかと思います。
国民年金基金のHPに飛ぶと、掛金や受給額など、それぞれ予め試算できるようにもなっています。これらの特徴からも、”国民年金基金”は総じて”堅実特化型”といえるでしょう。
”IDeCo”も”国民年金基金”も、僕が利用しない理由
”紹介しておいてなんやねん!”な話なのですが(;´∀`)
僕自身は”IDeCo”も”国民年金基金”も利用していませんし、今後利用する予定もありません。(付加年金に加入予定なので、そもそも国民年金基金は加入できませんが。)
その理由は単純で、”資金ロック”されるからです。
”IDeCo”も”国民年金基金”も、目的はあくまで”老後資産”です。
途中で引き出すことを想定された制度にはなっていません。つまり、積み立てたお金が、もし急に必要になったとしても、原則引き出すことはできません。
この”資金ロック”が、個人的にはネックな部分だと思っています。
僕は、自分自身や周辺環境、お金や時間にしても、とかく柔軟性が高いほうが、優位性も高まると考えているので、”資金ロック”が規約に含まれているのは、個人的には大きなボトルネックなんです。(そこさえなければ、今すぐIDeCoを始めます)
ですが、これはあくまで個人的な考えですし、「老後資産」や、「将来への備え」としては、
どちらも魅力度の高い制度だと思うので、もし資金ロック等、デメリットよりもメリットの方が高いと思われる場合、推奨できるでしょう(*^^*)
まとめ
国民年金基金は付加年金との併用はできませんが、IDeCoとの併用は可能です。
限度額の範囲ではありますが、
”終身年金”と”有加年金”を、自分好みのバランスで投じられます。
したがって、”どっちも捨てがたい”といった場合は、”どっちも利用すればいい”だけです。
個人的には、資金ロックも無く、「どちらか一方を選ぶ」とするなら、”IDeCo”を選択します。
やはり”運用益が非課税(通常20.315%課税)”となるのは、非常に魅力的ですからね。
これらは好みの問題なので、ご自身の状況なども含め、吟味していけばいいと思います(*^^*)
次回は、「第一号被保険者(自営業者)」専用の年金制度の最後の一つ、
「小規模企業共済」を解説していきます(*^^*) おしまい