年収を決める3つのポイント

ひとの将来的な年収はどうやって決まるのか?

実は、この問いの答えは

職業を決めた瞬間にほぼ自動的に決まっています。

このメカニズムを知らないで就職してしまうことは、できるだけ避けたほうがいい。

どのような決断をするにせよ、

将来の年収の期待値にどのような結果をもたらすのかは、

理解したうえで決断したほうがいいといえる。

本記事では、「年収を決める3つのポイント」をご紹介します。

参考著書:苦しかったときの話をしようか 著者 森岡 毅さん

年収を決める3つのポイント

①職能の価値

②業界の構造

③成功度合い

本記事で紹介する「年収を決める3つのポイント」は上記となります。

では、①から順番に解説していきましょう。

①職能の価値

モノの値段は、需給バランスで決まることと同様に、

そのひとの年収も、自身の職能(スキル)に対する需要と供給で年収は決まるといえます。

今よりも需要が増えれば価格は上がり、今よりも供給が増えれば価格は下がる。

ひとの年収もその原理と根本は同じです。

ここでいう「需要の高い職能」とは、つまり「代替がききにくいひと」である。

当然、スキルの需要が大きく、供給がレアであるほど年収は高くなる。

厳しい言い方をすれば、自分の給料が上がらないのは、自分の職能が上がっていないことに起因してしまうだろう。例えば、同じような作業を繰り返すことで、慣れによる作業効率自体は上がっていても、給料にさほど影響は出ていないはずだ。

1年前の自分と比べ、新たに身につけたスキルがあるかどうかを考えてみたらいいかもしれない。

②業界の構造

しかし、職能だけで年収が決まるわけでは無い。

それが、「年収は職業を決めた瞬間に決まってしまう」という、何よりの理由です。

産業や業界の構造によって、

たくさんの給料を支払える場合と、支払えない場合が存在するからである。

給料は各企業の経営者の裁量による部分が大きいと思われるかもしれないが、

実は払える人件費には、業界特有の構造的な限界が存在する。

当然動かしているお金が大きい業界や企業の方が年収は高くなり、そうでない場合は逆になる。

例えば、ラーメン屋の大将の年収は、大体同じくらいになるといえるだろう。

ラーメン屋だけではなく、うどん屋も、カレー屋も、喫茶店のマスターも、

開業医も、弁護士も、マスコミも、化粧品会社も、銀行員も、

市場構造を同じくする場合、同業者はだいたい同じくらいの年収に集約されていく。

これは、市場構造が払える人件費を決定しているからである。

ラーメン屋の大将の年収

ラーメン屋を経営していたとしても、実は自分で決められる部分はほとんどない。

まずは原材料費。仕入や調理を工夫したとしても、それには限界がある。

そしてどのラーメン屋も同じように工夫しているので結果的に金額は似通ってくる。

人件費や店舗維持費も同様である。

そして一杯のラーメンの値段は、ほかの同業他社と比べながら、

消費者の値頃感を外さないよう設定するために、値段も大体同じになってくる。

結果、全体の市場構造が似通っているので、

ラーメン屋の大将の年収も、大体同じになっていく。

「年収を上げる、正しい転職」とは

ラーメン屋の例から理解できるとおり、

今の年収に満足していない場合に、

同業他社に同じようなポジションで転職したとしても、

「年収という観点」では同じくらいの金額に落ち着いてしまうということが理解できる。

したがって、年収を上げるために転職をするならば、

「自分の職能が活かせること」

「もっと給料が払える他業界」へ転職するというのが正しいといえます。

③成功度合による違い

①の「職能」と若干重複する部分もあるかもしれないが、

最後のポイントは、「成功度合」です。

ラーメン屋の大将の例でも、繁盛の度合によって年収は変わってきます。

これが雇用者の場合、

そのひとがどれだけ重要で、代替不可能な能力を有しているかによって決まります。

経営陣や資本家サイドに、どれだけ自分の価値を信じさせてもらえることができるかが、雇用者としての成功度合ともいえるだろう。

以上3つのポイントを組み合わせてひとの年収は決まっているので、

・どの職能を選ぶか

・どの業界を選ぶか

・どの程度成功できそうか

就職や転職を行う際は、この3つをきちんと考えたうえで行動したほうがいいといえる。

ちなみに、成功度合によって差異はでてくるが、これも成功上限と失敗上限もある程度決まっているので注意深く分析すれば、その上下幅を予測することは難しいことではないはずです。

プロ野球選手とプロサッカー選手の年収の違い

念を押すようですが、

就く仕事によって期待できる年収には、実は何倍どころではない程の差異があります。

例えば、一般論として、製造業界より金融業界の方が年収がはるかに高いのは、

製造業は事業拡大に多額の設備投資が必要なのに対し、金融業はお金でお金を撃ち落とすビジネスモデルであり、工場や在庫などの設備投資が必要ない構造を持っているからです。

プロ野球選手が、プロサッカー選手よりも平均年収が高い理由のひとつにも、

「野球の方が試合数が多い」という構造があります。

職能はステップアップが可能

年収に関わる3つのポイントを受け入れ、自分がどの業界に就くべきか。

考えさせられた方もいるのではないでしょうか?

しかし、仕事はお金だけではなく、

最後は自分自身が情熱をもって取り組めるかどうかが一番大きなポイントともいえます。

なぜなら、職能も、成功度合も、自分が就いた仕事に、情熱をもって取り組むからこそ身につくものであるからです

また、どの業界でもある程度のプロになれば、「職能のステップアップ」は可能になります。

例えば先の例のラーメン屋さんは、そのノウハウを販売するようなビジネスにステップアップできたり、店舗数を拡大させることでフランチャイズ化もできるかもしれません。

そうなれば、ラーメン屋の大将とは、全く異なる構造となるので、年収も大きく変わります。

先を知ることで、全体のバランスをとる

仕事を選択する上でお金はとても重要な指標だと思います。

ですがお金を稼ぐことだけが目的だと、

ゴールのないラットレースのようなもので、豊かになれるとも思えません。

僕は物事を選ぶときは、バランス感覚が非常に重要だと思います。

情熱だけだといずれ苦しくなるし、お金だけだといずれ虚しくなります。

だからこそ、自分なりに予測し、きちんと知って、考えておくことが大切だと考えます。

そうすることで全体観もつかめやすくなりますし、その後の行動も選択しやすくなります。

本記事を通し、みなさんの就職や転職が、より良いものになりますように(*^^*)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA