ハインリッヒの法則
労働災害における経験則の一つである。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというもの。「ハインリッヒの災害トライアングル定理」または、「障害四角錐」とも呼ばれる。
ハインリッヒの法則は、その他にも別名「1:29:300の法則」、「ヒヤリハットの法則」とも呼ばれます。
重大な事件の以前には、「ヒヤリとした体験」「ハットした体験」が約300件発生しており、重大な事件が起きる前に、このヒヤリ、ハットの段階でいかに改善、修正できるかが、重大事件を起こさない為に必要なことと言われています。
今回は僕自身が、「ハインリッヒの法則」を鑑みて、行動を改善したお話です。
目次
飲酒によるブラックアウト現象
脳のなかには、記憶を司る「海馬」が存在します。
そして記憶には、「記銘」、「保持」、「想起」、という三つの段階があります。
記銘:外部の刺激がもつ情報を意味に変換して記憶として取り込む機能
保持:記銘したものを保存しておく機能
想起:保存されていた記憶を一定期間後に外に表す機能
そして、飲酒の後に
「昨日の記憶が途中から無くなってしまっている」
「どうやって家に帰ってきたのか覚えていない」という状況は
記憶を司る「海馬」の機能の2段階目である
「保持」が機能していないことにより生ずる現象となります。
実は僕はこの、「ブラックアウト現象」の常習犯であり、
ハインリッヒの法則でいう「ヒヤリハット体験」を、何度も経験してきました。
こちらには書けないような(なんで?)体験もしてきましたが
それでも唯一の救いとして、いつも「無事に自宅に帰っている」ことができていたため、
まあ、いっか。と思っていました。
人間の帰巣本能
そもそも帰巣本能とは、
動物が遠く離れた場所からでも、自分の巣に戻ることができる能力のことであり
人間に関していえば、長期記憶と短期記憶の種類の違いにより、
記憶はなくても自宅に帰ることが出来ると言えます。
自宅までの道順は、何度も何度も繰り返し行う行為なので、知らず知らずに長期記憶としてストックされます。
短期記憶と長期記憶はストックする場所が違い、また、短期記憶をストックする、「前頭前野」はアルコールの影響を受けやすいですが、
長期記憶のストック場所「側頭連合野」はアルコールの影響を受け辛い為、
結果的に記憶はなくても自宅に帰ることができるといえます。
僕も(本当に人間の脳はよくできてるよな~)なんて感心すらしてしまう日々を送っていました。
しかし先日、そんな僕の「帰巣本能最強説」を崩壊させるような出来事がありました。
遂に訪れた「家に帰れない」恐怖
その日は仕事仲間の送別会で、自宅の近所で久しぶりに外食を行いました。
そして、不覚にも仕上がってしまい、ブラックアウトしてしまいました。
その後、何時間たったのか、夜更けにぱっと我に返った僕は、なぜか見知らぬ土地にいました。
(ん?なんだここは?)
(なんでこんな場所にいるんだ?どこなんだここは?)
(とにかく家に帰らなければ。。。MAP機能で家を検索しよう。。。)
そう考え、MAPをひらくと、
外食をしていた場所から、自宅の方向とは真逆の方向に向かっていたことが判明し、少し自分が怖くなりました。
(なんで逆方向にいるんだ?僕の帰巣本能はどうした?)
(いや、考えるのは後だ。。とにかく寒い、、家に帰らなければ。。。)
そう考え、MAPが記す自宅の方向へ向かおうとしました。
怖くなったのはここからです。
MAPが記す現在地は、自宅を中心に円を描こうとしていました。
(まずい、、これはいかん。。。)
(自宅に近づけない。これはやばいぞ。なにより寒い。)
(とにかく別の方向に進まねば!)
違う方向に歩き始めると、今度は現在地が、逆方向に円を描き始めました。
僕は、思いました。
(あ、これ無理だ。)
(帰れないわ。)
気が付いた時から、人通りも何もない真っ暗な田舎道を一時間以上彷徨い続け、
頼りにしていた帰巣本能は機能不全に陥っており、
進んでいる方向と行きたい方向もまるで嚙み合わなくなっている。なによりとても寒い。
珍しく星もでていない真っ暗な空を見上げました。僕の心はぼきんと折れていました。
妻に電話をかけました。
(家に帰れません。すいません。進むべき方向がわかりません。)
と伝えました。
結局その後の事の顛末は、
流石にまずいと感じたのか、妻がGPS機能で僕の携帯を逆探知し、
自宅まで電話誘導してくれたおかげで、なんとか無事自宅に帰りつくことができました。
そしてこの体験を経て、僕は思いました。
「ハインリッヒの法則」に則ると、僕はもう「時間の問題だな」と。。。
そして決めました。お酒と距離をとることに。
僕は何事も無理のない範囲から始めるのをモットーとしているので、まずは自宅での飲酒をやめます。外食は、誘われればいこうと思っていますが、二次会にはいかないと決めました。
僕は元々タバコもギャンブルもやりません。
21時か22時には就寝しますし、朝は6時には起床します。
日中空いた時間はずっと本を読んでいますし、食事は白飯と漬物があればOKです。
ここに、仙人爆誕です。
みなさんも「ヒヤリハット体験」を感じた時は、
このままで本当に大丈夫か?と、自分に問いかけてみてもいいかもしれません。
本日もありがとうございました。