【割引クーポン】は必要ない!?個人事業の戦い方と、【割引クーポンの大いなる矛盾】

僕は三年ちょっとですが、以前に居酒屋を経営していました。そしてそこでは一切の【割引クーポン】を設けませんでした。

また自分自身、どこかでなにかサービスを受ける場合も、クーポンの類は利用しません。

僕が携わっていた「外食産業」は、「新規のお客様」と、「リピートのお客様」のふたつで成り立ちます。

そして、特に大切なのが「リピートのお客様」で、いかに「新規」のお客様を「リピート」して頂けるかが、スタッフの腕の見せ所といえます。

本記事は、僕が外食に携わる中で感じていた、「割引クーポン」における「大いなる矛盾」のお話です。

「割引クーポン」における「大いなる矛盾」とは

割引クーポンが多いのは、「外食」や「美容室」、「マッサージサロン」などが浮かびやすいかと思います。いずれも運営する上で「リピート客」の存在が、ことさら重要になってくると思います。

僕も独立する前の修業時代は、会社の戦略として「割引クーポン」があったので、それを利用するお客さんもたくさんいました。

そしてそのお客さんは、ほぼ100%の確率で「新規のお客様」でした。

これが何を意味しているかわかりますか?

最もお店に貢献してくれて、最もお店を応援してくれているはずの「リピートのお客様」が、定価で飲食を楽しんでいる隣で、初めて来た「新規のお客様」が、より安い値段で飲食を楽しんでいる。

この光景にとても違和感がありました。

逆だろう。フツーは。

と、度々感じていましたし、不思議な光景でなりませんでした。

とある日、僕は仲の良い「リピート」のお客さんに、その旨を打ち明けたことが合って、

僕)会社が決めている施策だから変更できないけど、あんまり納得できない光景ですよね~。

そう伝えると

リ)へ~。でもこの店にどれだけ魅力的なクーポンがあっても、このお店でクーポンは使わないかな。だってそれ使っちゃったら、そっちがそれだけ儲からなくなっちゃうってことでしょ?あとクーポンとか使うと、今後でかい顔もできなくなるしね~(笑)

と言われました。このやりとりはとても鮮明に記憶に残っていると同時に、

この経験から、応援してくれている「リピート」のお客さんは、お店に「割引サービス」なんて望んでいないことを理解しました。

割引クーポンを利用したお客様は、リピートしてくれるのか?

個人的には「新規のお客様」が、その割引クーポンを利用したことにより、「リピートのお客様」になる確率は極めて低いと思っています。

なぜなら割引クーポンとは、主に「初めてのご利用」をターゲットにしたものが多く、「初回限定」や「予約限定」などの縛りがあったりします。

これは、確かに新規客へのフックとなりますが、このクーポンは「ご利用頂いたお客様へ再び店舗を利用して頂く」という設計はされていません。

また、割引クーポンを狙った「ただただお得を享受したいだけ」のクーポンハンターの存在も大きいです。

クーポンハンターの基本的な来店動機は「割引クーポンのある店舗で、お得にサービスを受けること」です。

つまり、元々リピート意識が低いので、どれだけ良い接客や料理を提供しても、次に繋がらないことが多い。

さらには、クーポンハンターとは別に、お店の前で携帯をポチポチして、「クーポンはあるかな?」と調べているひとたちも一定数は存在します。

お店に入ることはすでに決めている上で、クーポンの有無を確認しているので、クーポンが来店のフックになったわけではなく、「クーポン分、無駄に割引してしまった」といったケースも発生します。

もちろん割引クーポンが来店促進のフックとなり、そこから「リピートのお客様」になる可能性もあるにはあると思います。

だから僕は、割引企画自体を否定するつもりはありません。

しかし、基本的には何十店舗も抱える「大手のやり方」で

僕みたいな「個人のお店」がやるような施策ではないと考えています。

大手に金銭的な勝負をしても、どう考えても負けますからね。

値引き割引の類は、発想としてすぐ浮かびやすいですし、簡単で分かりやすいので、反応(成果)もすぐにあると思います。でもだからこそ、それらを封印することで、脳みそに汗をかくようになり、外にはないより素敵なサービスを思いつくことができるんだと思います。

サービスやクーポンを設けるなら「足し算」も考える

もし「サービス」や「クーポン」を設けるのであれば、足し算のサービスも視野に入れると良いかもしれません。

クーポンというと、ついつい「引き算」の発想をしてしまいますが、実は「足し算のサービス」も有効なんです。

例えば、「からあげが今だけ1.5倍!」とか「今だけ据え置き価格で乾杯ドリンクが、大ジョッキに!」などなど。

はためから見ると、同じことではないのか?と思うかもしれません。しかし、中身は全然違います。

「引き算のサービス」は売上にそのまま影響を与えますが、「足し算のサービス」は足した分の原価負担だけで良いということになります。

原価は大体30%前後なので、割引系の「引き算のサービス」に比べ、負担はそれほど大きくありません。また、オペレーション(作業工程)もモノの量の増加をするだけなので、基本的な工程は変わらず、スタッフに負荷はかかりませんし、新たなレジミスも生じません。

これも「足し算のサービス」の魅力的な点だといえます。

まとめ

僕は三年と少し、居酒屋を運営しましたが、有難いことにリピートの皆様に愛され、増収増益を重ねることができ、廃業するときが一番調子が良かったです(笑)

(コロナ過のマイナスは無視した数字ですが( ;∀;))

これは、共に支えてくれた妻やスタッフ、そしてすべてのお客様のおかげですが、

最初に決めた「値引き割引には一切頼らない」という方針も、受け入れられた結果だと思います。

やらないことを決めると、やることはシンプルになってきます。

値引き・割引のクーポンをやめて、余った予算で、リピートさんの誕生日にケーキを買ってあげたりなんかも良いですよね。

不特定多数のひとに向けた、喜んでいただく行動もいいですが、

思い浮かぶ「大切なあのひと」にだけ向けた行動も、とっても素敵なコトだと思います。

個人的には後者が好きなので、そんな相手をたくさん増やせるように努めていきたいですね(#^^#)

外食はひとがすべてなので、大切なひとたちをとことん大切にしていきましょう(#^^#)おしまい

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