【拙速は巧遅に勝るのか?】日本人とフィンランド人の働き方から見る【効率性】の違いとは

拙速は巧遅に勝る

「拙速は巧遅に勝る」

「巧遅は拙速に如かず」

いずれも、

「時間をかけてきちんと仕上げるよりも、多少拙くても速い方が結果的によくなる」

という意味で理解しています。

中国の兵法書「孫氏」の格言として有名なことわざとなっていますね。

この考えは賛否両論あるでしょうが

僕自身は行動を起こすうえで、この考え方はとても重要であると思っています。

拙速か、巧遅か

【持家か、賃貸か】論争にも似ているこちらのテーマ、

どちらがいいかは従事している職によるといえる。

例えば、時計を作る職人さんは【コンマ何ミリ】という世界で仕事をしているので、「拙くても、その分速く作ればいい」なんて考え方では、時計としてきちんとした商品ができない。

したがって時計職人さんに伺うと、ほぼ100%の確率で

「巧遅に決まってる。拙速なんて考えられない」

と言うだろう。

一方伺うターゲットを変え、中小零細企業の社長に同じ質問をしてみると、

「我々は大手には真似できない【スピード感】が命である。巧遅なんて考えられない。」

と高い確率で答えると思う。

発言力や発信力は、職人さんよりも企業の社長やいわゆるインフルエンサーの方が多い傾向にあり、またそれらの方々は、「拙速」を重視している傾向が強い為【スピード感が何より大切】という発言が世間では多く聞かれている。

そして、「スピード感が大切」といったメッセージが声高に叫ばれているということは、裏を返せば日本人は、基本的に「巧遅」の性格の方が多いといえるだろう。

今回は、2021年ビジネス賞グランプリ イノベーション部門賞を受賞した、

堀内都喜子さん著書「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」より、

「拙速と巧遅論」に関連したフィンランド人と日本人の働き方の違いに関して紹介していこうと思います。

フィンランドという国の特徴

フィンランドの主な特徴は、

・一人あたりのGDPが日本の1.25倍

・有休消化率100%

・夏季休暇は一か月以上

・午後4時には帰る(残業はしない)

・2018~2019年、二年連続「幸福度世界ランキング」第一位獲得

などなど、フィンランドは、いわゆる「ワークライフバランス」がとても整っている国であり、日本の働き方に慣れた僕たちからしたら、「楽園」のようにさえ感じてしまいますね。

(詳しくは本を読んでみてください(*^^*) 良書でした👍)

では今回の主旨でもある、「仕事の進め方」は、日本とフィンランドでどのように違うのか、解説していきます。

日本とフィンランドの仕事の進め方の違い

日本とフィンランドは、生産性が大きく異なります。

先にも触れたGDP差は1.25倍であるが、日本人の長い労働時間を加味すれば、その差はもっと広がってしまうだろう。

なぜフィンランドは、こうも「効率的」な働き方ができるのか。

それには日本の仕事の進め方と、根本的な違いがあるように思える。

日本のプロジェクトでは細かな部分までしっかり詰めて、計画をきちんと立てた上で進める傾向がある。つまり、巧遅的であるといえる。

一方フィンランドは全くの逆で、まず大枠を考えたら、すぐにそのプロジェクトは走り出す傾向にある。つまり、拙速の考え方だ。

細かいところは走りながら詰めていく傾向にあり、トライ&エラーが前提で柔軟にプロジェクトを進めていく。

日本もある程度計画が固まると、その後はスムーズにいきやすいが、柔軟性に欠ける部分もあり、なにより初速が遅い側面がある。

一体どちらの方が効率が良いのか。賛否あるだろうが、「生産性」という観点で見るならば、それは結果が示している通りだろう。

その属性の人間は、その属性を肯定する

著者の調べでは、

「日本人は日本のやりかたのほうが正確かつ確実で優れている」と考え、

フィンランド人はフィンランドの方が「速くて良い」と考えている。

また、完成度への間隔も少し違うといい、

フィンランドは合格ラインを超えれば100点でなくても良いと考える。

つまり、「グッドイナフ」の考え方「完璧ではなく、十分条件を満たす」ということである。

可能性やゆとりがあれば、そこから調整していく感覚だろう。

GDPや効率性に如実に結果が表れているのを見ると、日本も学ぶべき点はあるのではないかと感じてしまうのは僕だけではないはずだ。

まとめ・所感

「完璧ではなく十分であれば良い」というフィンランド人の考え方は、とても参考になる部分だと思う。

なぜなら80点を取る事と、100点を取る事は、費やす時間に大きな差が生じるからだ。

そして100点を求める仕事は、それこそ職人仕事など、一部の仕事に限定されていく。

大切なことは、「及第点は何点なのか」を見極めることだろう。

例えば「富士山に登る」と決めても、何合目までいくかで準備に費やす時間は非常に大きく変わる。

富士登山は5合目までは車で行けるからだ。

及第点が「登る事」でいいなら車とナビを準備するだけでいい。1時間で準備は終わるだろう。

しかし「登頂」するなら、相応の準備と体力づくり、高山病へのトレーニングや情報収集など、「成果は半分しか変わらない」のにも拘わらず、費やす時間は何倍も、何十倍もする。

完璧は求めない。及第点を見極める。

そう決めてしまうのも、生産性を高め、成果を出すビジネスパーソンには必要な心得なのかもしれない。

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