【物的価値と体験価値ならどっちを選ぶ⁉】心を豊かにする最高の浪費支出

旅行は人生を豊かにする。

それはなぜか?

お金を使うことが目的だからだ。

つまり、「最高の浪費支出」となる。

▽浪費に関してはこちらを

生きるうえで大切な「お金」と「時間」の上手な付き合い方と、具体的な三つの要素

ちなみに、

今を満たしてくれる「浪費」には、二種類存在すると思っている。

本記事を読み終わったら、

きっとあなたも「旅行にいこう」と思うに違いない。

二種類の浪費支出

主な浪費支出には

「物的価値」を与えてくれるものと

「体験価値」を与えてくれるものがある。

◇物的価値

物的価値とは文字通りモノとして残るものであり、

宝飾類ブランド品高級車などが該当するだろう。

僕も20代前半までは、お金を使うなら物的価値があるものに使いたいと思っていた。

しかし、物的価値は、ややこしい。

なぜなら物的価値の「所有することで生まれる価値の背景」には

所有欲の他に、「承認欲求」という「他者からの肯定的な視線」も大きな理由として挙げられるからだ。

所有欲と承認欲求

厄介なのは、物的価値をより強く生じさせるためには、「他者の承認の力が必要」だという点。

いわゆる「ステータス」だ。

「ステータスシンボル」となるには、他者の承認の力が必要だけど、自ら所有していることを伝えるのは原則NGでもある。

なんだか、実に面倒くさく感じてしまう。

承認欲求から解放されると、物品意欲は消え失せる

個人的には、承認欲求の為に物的価値を求めるのは、お金も時間もコスパが悪いと感じてきた。だから、物的価値でも、「ひとからどう見られるか」ではなく「自分自身がほしいと思うか」だけで購入するようになっていった。

結果どうなったか。僕は何も買わなくなった。

必要なものは元々「消費支出」で所有している。

あとは壊れたり痛んだりしたら、買い替えるだけでよくなった。実にシンプルな生き方だ。

プチ・ミニマリストにもなれるかもしれない。

◇体験価値

体験価値とは、モノとして残らないもの。

代表的なトコロでいえば、旅行外食遊園地などだろうか。

体験価値の特徴は、モノとして残らない分、思い出として心に残る工夫が随所にある。

ちなみに僕は居酒屋を3年ばかし運営していたが、

お客さんを楽しませたり、そのような工夫がなされていないお店は、居酒屋(外食)とはいえない。

モノとして残らない上に、内食や中食の方が食費として安くあがるんだから、

体験価値を高める努力をしないお店は、外食として生き残ることはできないだろう。

体験価値の優位性

物的価値は基本的に自分自身だけを対象としているが、

体験価値は、ひとりでも複数人でも可能となる。

この点も、体験価値の優位性のひとつとなるだろう。

なぜならひとは、自分以外の人間が喜ぶことでも、

幸せと感じられるような、素敵なシステムが備わっている。

旅行や外食など、もちろんひとりでも楽しいけれど、

大切なひとと過ごす体験は、より大きな価値となってくれるだろう。

旅行は「体験価値」の「詰め合わせパック」

体験価値ならば、どれもおすすめだけど、個人的には特に「旅行」を推奨したい。

なぜなら旅行には、体験価値のすべてが詰まっているからだ。

体験価値、つまり「感動」が、最も効果を発揮するには、「初めての体験」外せない条件だろう。

なぜならば、すでに知っている場所の再訪問は、安心感や落ち着きと共に「答え合わせ」に近くなる。

だとすると、近隣の知っている道、知っている風景、知っているお店ではなく

全く知らない場所に身を投じるのが最も効果的だ。

だから、旅行にいこう。

見知らぬ場所に、身を置いてみるだけで、普段と違った「感情」が生まれてくる。

僕自身、国内で30県以上、海外は7カ国と旅をしてきた。

それほど多くはないですが、その経験は僕のなによりの宝物だ。

死んだら、最後に持っていけるのは「たくさんの思い出」だけである。

旅行に目的はいらない

旅の間が面白ければいいし、帰宅後に旅の経験を周囲に披露できれば、大成功だ。

物的価値と違って、体験価値は「楽しかった経験」を率先して周囲に語ることもできる。

これも大きな優位性のひとつだろう。

計画がめんどくさい。

予定を立てるのが苦手。

どこにいったらいいかわからない。

旅行嫌いな方が挙げる理由として、よく上記のような「計画性」に関わる理由があげられる。

しかし、旅行に計画を持ち込む必要はない。

周到に計画して、その通りに楽しむのもいいけれど、

無計画故の楽しさもある。

最後に、元マイクロソフト代表取締役の成毛眞氏が

「これが買いだ。私のキュレーション術」という著書の中で語っている

旅の楽しみ方に思いを馳せた瞬間を、ご紹介しよう。

旅は成り行きを楽しむもの

若いころ私は、欧州の先進国へは行かなかった。パリやローマの街並みは観光都市として何十年も保証されているからだ。しかし世界を見渡すと、25年後には間違いなく変貌を遂げていそうな国がある。

 そういうところへ出かけては、ビフォア・アフターのビフォアの混沌に身を置くのだ。

内モンゴルへは90年代に同僚2人と行った。現地の中国人ガイドに会ってみると、どうも信用ならない雰囲気がある。案の定、彼はモンゴル語が話せず、ガイドとして頼りないことこの上ない。結局、着いた”宿”は普通の民家。ほかに宿を探そうにも、半径10キロ以内には建物がない。仕方なく客であるはずの我々がゲルと呼ばれるテントの設置を始める。

 日がすっかり暮れてようやくそれが組みあがると、ガイドは言った。

「で、明日はどこへ行くんですか?このあたりには何があるんですか?」

まさかと思ったが彼はモンゴル語の能力だけでなく、ツアーガイドとしての資質も持ち合わせていなかったのだ。数年後に思い出し、その彼に連絡をしてみると今度は「シルクロードはどうでしょう?」と提案してくる。

やればできるではないか、と気を取り直したのも束の間、

「僕もシルクロードへは行ったことがないから、楽しみです」などと言う。

 これはいったいどういうことかと思ったが、私は彼から学んだ。旅とは、成り行きを楽しむものなのだと。

◇成毛眞氏:これが「買いだ」私のキュレーション術より

まとめ

物的価値にも、確かな価値がある。

価値がないようなものに、

わざわざ多くの身銭をはたいて購入するひとはいないからだ。

また、品物に価値があるなら、「お金の姿が変わっただけ」という解釈もできる。

そういう意味で考えると、なるほど高級車なんかも悪くないと思えてくる。

つまるところ、物的価値を求めるならば、

リセールバリュー(再販価値)を気にかけるのがポイントといえる。

しかし、「心の豊かさ」を求めるならば、やはり体験価値に軍配が上がるのではないだろうか。

その理由は、先に書いてきた通り。

お金は、最後は「使う力」が試される。

最高のお金の減らし方に、旅行というのは、最適な方法のひとつになるだろう。

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