【世界倒産図鑑】ビジネスの教訓と知恵の宝庫【時代を築いた企業の破綻】波乱万丈「25社」徹底分析

こんにちは☺ちょっぷです☺

本日も元気よく本のご紹介をしていきます☺

今回ご紹介する本はこちら

荒木博行氏著書のこちらの作品。

とても勉強になる良書でした。

次にご紹介していきますので、

気になった方は是非読んでみてください(*^^*)

売上増は七難隠す

成功の軌跡を勉強するよりも、失敗事例を学ぶことの方が得るものは多い。

本作の中で、「売上増は七難隠す」という言葉が何度も使用されますが、

成功している段階では、水面下に潜んでいる課題や、失敗の要因になってしまうようなことも

その時の業績が良ければ隠れてしまうことが多い。

やがてはその課題が肥大化し、大きな失敗をした段階で明るみとなる。

だからこそ、自分たちが成功、成長を遂げている時ほど、先人たちの失敗事例を通じて、

「水面下に潜む課題」に予め思いを馳せる必要がある。

本作の内容

本作の中で「失敗事例」として挙げられている会社は、

僕たちにとっても親しみのある会社や、

一度は名前を聞いたことがあるような有名な会社、

100年以上もの歴史のある会社などを中心に、

時代や業界や地域にも多様性が出るよう選定されています。

そういえば、この会社は一時期、CMにたくさん出ていたな。

とか、

しばらく見ないと思っていたけど、こんなふうになっていたんだな。

など、

読み進めていくうちに、感慨深くなるような事例も数多くあると思います。

業績が好調な時や、

世間から評価を頂いている時点までを記してある、

「成功までの軌跡」のような書籍は世の中にあふれていますが

このような失敗事例は、あまり世に明るみに出ることもなく

そのような企業は、人の記憶からもひっそりと消えていくのが常なので、

あえて失敗から学ぶことを目的とした本書は、

非常に学ぶべき点の多い、価値の高い内容となっていると思いました。

本作の構成と流れ

本作は、結果的には倒産してしまった会社の、

「誕生から倒産までの経緯」を、それぞれ迫った後に、

✔なぜそのようなことが起こってしまったのか。

✔どの時点の意思決定までは良かったのか。

✔どの時点の意思決定からまずくなってしまったのか。

✔そして、その会社における「失敗の本質部分」は何だったのか。

✔私たちは、その事例から、何を学ぶべきなのか

そこまでを「ひとつのセット」として考察していく構成となっています。

また、倒産企業のカテゴリーは、倒産原因別に分けられており

大きくはふたつ

「戦略上の問題」「マネジメント上の問題」に区分されています。

「戦略上の問題」~過去の亡霊型~

戦略上の問題は、「過去の亡霊型」「脆弱シナリオ型」に区分されます。

過去の亡霊型とは、

一度成功した企業が、その成功経験から抜け出せずに、重要な戦略変換のタイミングで、変わることが出来ずに倒産してしまったというパターン。

事例として紹介される企業は次の通り。

〇そごう

〇ブロックバスター

〇コダック

〇ポラロイド

〇MGローバー

〇トイザらス

〇ゼネラルモータース

〇ウェスチングハウス

「戦略上の問題」~脆弱シナリオ型~

一方、脆弱シナリオ型は、

そもそも戦略の成功確率が低すぎて、”勝負したけどやっぱり負けた”という事例となります。

紹介される企業は次の通り。

〇鈴木商店

〇ベアリングス銀行

〇エンロン

〇ワールドコム

〇三光汽船

〇エルピーダメモリ

マネジメントの問題 「焦り」・「機能不全」・「大雑把」

戦略ではなく、「運用方法」、つまりマネジメントに問題があった倒産パターンも数多く紹介されています。

マネジメント上の問題には「焦り」型「機能不全」型・「大雑把」型

が挙げられています。

それぞれ紹介される企業は次の通り。

「焦りからの逸脱」型

〇山一証券

〇北海道拓殖銀行

〇千代田生命保険

〇リーマン・ブラザーズ

「大雑把」型

〇マイカル

〇NOVA

〇林原

〇スカイマーク

「機能不全」型

〇コンチネンタル航空

〇タカタ

〇シアーズ

切り取る場所を選べば、いずれも優秀な企業

失敗事例を”あとから”学んでみると

✔この意思決定が悪かった。

✔この側面が非合理的であった。

などと俯瞰的に評価できることも多い。

けれど、実際にその時点に立ったならば

正しい選択ができるかどうかは、誰にもわからないし、非常に難しいともいえるでしょう。

本作でご紹介されている企業は、

どの企業も

切り取る場所を選べば、大きな興隆を深めていたり、世間から多大な評価を受けている時期も見受けられる、優秀な企業ばかり。

もしかすると、これら先人達の優秀な企業に足りなかったのは、

このような失敗事例を「勉強できる書籍や機会」が、

充実していなかったからではないのかとも思わせてくれる。

誰だって100%正しい意思決定などできやしない。

だからこそ、紹介された先人たちと同じ轍を踏まないよう、

失敗事例を学ぶことで自分自身と照らし合わせ、鑑みる必要があるのだろう。

「結果重視」か、「プロセス重視」か

最後に、本作から僕たちへのメッセージとして、

特に大切だと感じた部分を、原文そのままにご紹介します。

▽下記引用

結果重視か、プロセス重視か。

この問いに対する答えは、「どちらか」ではなく「どちらも」だということを私たちは知っています。結果を出せば何でもいいというわけではなく、結果にこだわりながらもルールの中で戦い続けることが大事なことは言うまでもありません。

 しかし、最も怖いのは、「ルールから逸脱したにもかかわらず、たまたま結果が出てしまった」という経験です。

「売上は全てを癒す」

「売上は七難を隠す」という言葉がある通り、結果が出た時にはその過程が表沙汰にならないことが多い。つまり、「逸脱と帳消し」の記憶が蓄積されてしまうのです。

 であれば、私たちは結果が良い時ほどプロセスにこだわらなくてはならないのでしょう。

そこで許した「逸脱と帳消し」の記憶は、時限爆弾のように会社を蝕んでいく可能性があるのです。

まとめ

「不死鳥フェニックス」の著者で、オンデーズの代表取締役でもある田中修二氏は

 「成功本なんて読んでも意味ない。真に勉強すべきは失敗事例。」

との発言を、

同氏の二作目「大きな嘘の木の下で」の中で語られていましたが、

今回こちらの本を読み終わって、

なるほどそういうことなんだな。と、同氏の言わんとしていることに

妙に納得してしまいました。

また、一社一社の事例を記すにあたって、

参考にした書籍も本作の中に添えられています。

読み進めていくうちに、

概要だけでなく、もっと中身や細部まで知りたいと思った方は

本作の中で紹介されてある書籍を調べてみると、新たな発見や気付きもあるかもしれません。

失敗事例にこそ、「成功へのエッセンス」が散りばめられています。

もしまだ読まれていない方は、

この機会に読んでみてください(*^^*) おしまい

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