時代の先端をはしっている方々は、電話を嫌う方が多い傾向に感じます。
特に有名なのは堀江貴文さんだろう。
メディアや著書などでも
「電話してくるひととは仕事をしない」と度々公言していますし、
その過激な発言を見たこと、聞いたことがあるひとも多いと思います。
余談ですが、堀江さんと親しい方は、
(そんなこと言いながら堀江さんはよく電話してくるw)
なんて暴露していたりもします(笑)
さて今回は、そんな「電話」に関してのブログです。
なぜそこまで電話という手段を嫌悪してしまうひとが存在するのか。
その背景にはどんなメッセージが込められているのか?考えていきたいと思います。
参考著書:日本はもはや後進国 著者 加谷珪一さん
目次
中高年世代と若い世代の電話論争
電話論争とは、
やたらと電話を使いたがる中高年世代が、電話を使いたがらない若い世代に対して苛立っているという図式ですが、
この話は単なる世代間論争の話ではありません。
いつの時代も、ある一定数のひとたちは、新しいテクノロジーについていけなくなります。
今の中高年世代は、今の老人世代から
手紙の書き方を知らない
字が汚いのはビジネスパーソンとして失格
などとさんざん罵倒されており、当時の若者(今の中高年)たちは、
当時電話が普及され始め、連絡手段の変革の時期にあったため
上の世代の人たちに対して、
「時代についていけない人たち」として反発していました。
実際、電話やパソコンが普及するにつれて、
「きれいな字を書けないことは、ビジネススキルの欠如」とはみなされなくなり、老人世代の主張は消えてしまいました。
そして現在、当時は時代の最先端を走っていた若者世代も、中高年世代となり、
かつての中高年世代と同じように若い世代に苛立ち、また激しい突き上げも受けています。
ひとは、慣れ親しんだツールに依存する
基本的にひとは変化を嫌います。
「変わるリスクより、変わらないリスクの方が高い場合のみ、ひとは変わることが出来る」
と言われているほど、ひとは慣れ親しんだモノに対して高い依存性があります。
しかし、なぜこれまで同様電話に依存しているひとが一定数存在する中で、
電話を激しく嫌悪するひとがいるのでしょうか?
よく電話と電子メールは比較対象にされます。
この二つは、相手と通信を取るという目的は同じですが、その性質は異なります。
次項では、その性質に関してみていきましょう。
同期ツールと非同期ツール
同期通信とは、お互いが同時刻にそのツールを使わなければならないタイプのものです。
電話は同じタイミングで電話に出ないとコミュニケーションができないので、同期ツールの代表といえます。
一方で、電子メール等は、相手と同じタイミングに合わせる必要はなく、自分の好きな時間に確認し、返事を返すことが可能であるため、非同期ツールといえます。
かつて電話が通信の中核的存在とされた時代では、
通信できる一般的な手段が、同期通信である電話しかありませんでした。
つまり、同期、非同期ツールの中から選択された結果ではないということです。
ところが、電話を使用するのが当たり前になってしまうと、
こうした背景や事情を忘れてしまい、
何が一番最適なのかと思考することを放棄し、電話という手段に依存してしまいます。
電話は「暴力的な同期通信」
電話は同期通信を「強要」してしまう性質があるため、
電話をうけるひとの「時間を奪ってしまう可能性」が考えられます。
相手が近くに存在する場合は電話する必要がないですからね。
電話をかけるということは、相手が何をしているかわからない状態ということになります。
このことから、時間価値意識の高いビジネスパーソンほど、
同期、非同期ツールが選択できる現代で、
ひとの時間を奪う【可能性のある】電話を使って連絡してくるなんて、けしからん‼
という結論になってしまうというのも、理解はできますね。
電話は「悪」なのか
ただ、僕自身は
現代のコミュニケーションツールにおいて、電話が必ずしも「悪」という訳ではなく、
同期、非同期ツールの、それぞれの特性を理解したうえで、
使い分けができている状態こそが理想だと考えます。
具体的には、
・緊急性が高く相手の時間に割り込んででも連絡する必要がある場合
・文字ではどうしても感情を伝えられない場合
このような場合、電話はとても有効だと考えています。
考え方の発信はある種のポジション取り?
また、堀江さんのように、電話に関した考え方を周囲に発信しているということは、
「自分はきちんと同期、非同期ツールの特性を理解している」ということを意味します。
また、発信することで、周囲にその考え方が認識されていれば、
今度はそんな発信をしている堀江さんが電話をかけてきた場合
あの方が電話をかけてくるなんて、、
この電話はすぐに対応しなければいけない案件かもしれない!
として、相手も迅速に対応してくれる可能性が高まりますし、
信用を落とすこともなく、相手を自分の時間に有利な形で働きかけることも可能になります。
そこまで考えたうえで、電話に対し、
あえて苛烈な表現をしているとも考えられますね。(完全な推測)
電話はAIに代替される
これは余談ですが、電話の役割が決定的に変わったことを示す、驚くべき発表がありました。
グーグルがAIを活用し、自分に代わって電話をかけるサービスをスタートしたのです。
開発された新しいAIは、レストランや美容室などに自動的に電話をかけ、電話にでた店員と会話して予約をいれるというものです。
AIに代わって行われた英語版デモは、店員がAIだと知らされなければ、気付けないほどの完成度であり、相槌まで返すなど、少々気味の悪さを覚えるほどのものでした。
これは、予約システムのITインフラを整備する目的で開発されましたが、
徐々にこの流れは大きくなり、いずれ会社の電話対応のすべては、AIに代替される日がくることも考えられます。
電話のみに依存してしまうと、そのうち相手はAIになってしまう可能性も大いにあるのです。
唯一生き残ることができるのは「変化できる者」である
これはなにも電話のみの話でもなはありません。
今使用している電子メールも、徐々にビジネスチャットなどに移行を始めていたりと、既に移行と選択の波は訪れています。
僕たちが今使用しているツールも、また新しいツールへの移行を考えなければいけない時期が何度も訪れるでしょう。
ダーウィンの進化論ではありませんが、
既存のやり方に依存してしまうのか、変化を受け入れるのか、
「このままでいいのか?」「最善はなにか?」を問い続けること、
現状に疑いを持ち続ける姿勢が必要になっていくことは確かです。
乗り遅れることのないよう、常にアンテナを張って行動していきたいものですね。
僕もより良い情報をバラまけるよう日々勉強を重ね、ブログを発信していきますので
今後ともチェックして頂ければなによりです(*^^*)