世の中のビジネス本のほとんどが【成功本】である【本当の理由】

僕はおそらく、一般的なひとよりもたくさんのビジネス本を読んでいます。

そして、ビジネス本の多くは、【こうすれば成功できる】といった書籍がかなり多いです。

成功にまつわる本がたくさん出版されているということは、それだけ支持(需要)があるということです。

本記事は、OWN DAYS代表取締役・田中修二さんの著書【大きな嘘の木の下で】から、僕も共感した成功本にまつわるお話をご紹介します。

【成功本】をいくら読んだところで、【成功】なんてできやしない

例えば「成功本」には、「あの会社の成功の理由」とか、「ヒット商品を生み出す秘訣」といったものが所狭しと並べられています。

ボリュームがあるのは、売れ行きの良い証です。

しかし、なぜこれほど人気なのか?

その答えは、いくら本を読んでも成功などできやしないからである。

ちなみに、ダイエット本も同じ理由。

世の中の「成功本」と「ダイエット本」が溢れている理由は、どの本を読んでも痩せられないし、成功もしない。なぜなら、成功本やダイエット本を読んで成功できたり、ダイエットに成功するのであれば、あれほどひっきりなしに出版され続けることはないからだ。

例えば、ソフトバンクの孫正義さんの本を読むと、

在日韓国人だといじめられて、その悔しさをバネにアメリカに渡り成功した

といったエピソードが書いてある。

これを読んだ読者はこう思う。

そうだよね。やっぱり成功するひとって、ハングリーで、人並外れた苦労をしている。虐げられてきたひとほど、それをバネに成功できるんだよね。

一方で、楽天の三木谷浩史さんの本を読むと、兵庫県神戸市に育ち、親は大学教授で、自分も一橋大学に通って、日本興業銀行に入ってハーバード大学に留学して、その後会社を立ち上げたと書いてある。

これを読んだら

そうだよね。親が大学教授でお金持ちだと環境もいいし、学歴もあって、チャンスが溢れていたから成功できたんだよね。

と思うだろう。見てわかる通り、まるで正反対の環境だ。しかし、両者とも日本を代表するような大企業を短期間で作り上げている。

つまりハングリーでも裕福でも、どちらの道を通っても、「なるひとはなる」といえるだろう。

結局、環境や状況など関係なく、やるひとはやるし、やらないひとはやらない。これだけである。

成功するパターンは千差万別で、誰でも使える必勝法のようなやり方は存在しない。だから、書店には、あらゆる成功本が溢れかえっている。

成功の方法論を、自分に当てはめることはほとんどできない

成功するには、まず成功の土台が前提条件として存在する。そしてその前提条件とは、そのひとが経験してきた人生そのものだから、すべてを真似することは適わない。

したがって、「他者の成功」を自分に当てはめられることはほとんどないといってもいい。

身近な例でいえば、販売員として、同じ場所で同じ商品を扱っているにも関わらず、そのお店のスタッフの中に、売れるスタッフと売れないスタッフで明確な差がでてくることがよくある。

この差をなくそうと、売れるスタッフの販売方法などを共有するとして、その差は埋まるのだろうか?

例えば、年齢も性別も違う、おじさんスタッフと、若いお姉さんスタッフが、同じやり方をすれば同じ売れ行きになるのか?

若いお姉さんスタッフの「こういう風にやったら売れました」という事例をおじさんスタッフが真似したら、もしかしたら「きもちわるい」と言われてしまうこともあるかもしれない。

極端な例ではあるが、これも前提条件の違いが大きな理由である。

つまり、自分のキャラクターを理解して、自分に合ったベストな方法を自分自身で身に着けていくことが大切である。

学ぶべきは「失敗のパターン」

成功するパターンは千差万別だが、失敗するパターンは共通するものが多い。

これははっきりしている。例をあげよう。

・理論武装はしっかりするが、行動にうつせないひと

・言い訳ばかりして、他責にしてしまうひと

・お金に不真面目なひと(会社のお金を個人のお金と混同してしまうひと)

・信頼残高が少ないひと(他者の協力や理解を得られないひと)

上記はあくまで一部に過ぎないですが、これらは成功できない、または失敗してしまう確率を高めてしまう可能性が高いといえます。

野球でもサッカーでも、点を取られなければ負けはしない。

ビジネスも一緒で、赤字にさえならなければ、お金さえ無くならなければ潰れることはありません。

例えヒットを打てなくても、点を取られなければ、打席は何度も回ってくる。

その間に、自分のやりかたを修正していけば、いつか必ず打てる日はくる。

でもビジネスを始めると、みんな最初から、なんとか点を取りにいこうとする。ヒットばかり打とうとして、守る意識が薄くなり、凡ミスを起こしてしまい、いつのまにか点を取られて試合に負けてしまう。

大切なのは、勝ちパターンの再現ではなく、負けパターンの発見と、それの防止に努めることである。

「成功本」を読むのは、意味がないのか

著者の田中さんは、基本的に「成功本」は意味がないと言いながら、自分自身は「成功本」は「好き」で「よく読んでいる」とも語っています。

これは、「成功本」を読む動機が、エナジードリンクを飲むような感覚だからだそうです。

それらを読むことにより、勇気だったり、エネルギーをもらうために読んでいるんだそうです。

田中さんの考えに共感はできますが、僕自身も今後成功本も読み続けようと思っています。

なぜなら成功本には、その成功までに経験してきた「失敗」も必ず含まれていますし、どうやってその失敗を乗り越えてきたのか、そのときの発想や行動を本を通して学んでいくのは、単純に物語(本)としておもしろいですし、同じ再現はできなくても、そこに気付きはあるからです。

元プロ野球監督の、故・野村克也さんが「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」といった名言を残しています。

野球にしてもビジネスにしても、勝ち方を考える前に負けそうな要素を片っ端から潰していくことが何より大切で、「成功」に近づく為の、誰にでも当てはまる「唯一の方法」かもしれませんね。

今回ご紹介したこちらの著書、とてもおすすめなので、良かったらポチりしてみてください。

 

 

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