【菌床椎茸】と【原木椎茸】の違い。【大分県の椎茸の底力】と【原木栽培】

前回の記事で、物産店に低価格で「原木椎茸」が販売されていたことに興奮してしまいましたが、

▽下記記事参照

10年ぶりに【九重“夢”大吊橋】に行ってきた感想と、【道中の注意事項】

東京出身の妻にそのことを伝えても

げんぼくぅぅ??(´・ω・`)

という、なんとも温度差のあるリアクションであり、

そもそも椎茸に「原木椎茸」と「菌床椎茸」が存在することはあまり認知されていないのではないかな?と感じたので、

今回それぞれの違いに関して解説していこうと思います。

「原木椎茸」と「菌床椎茸」の違い

ざっくりと解説すると、

原木椎茸:天然モノ(自然栽培)

菌床椎茸:人工モノ(人工栽培)

となります。

◇原木椎茸とは

原木しいたけは、自然の森の中の「ほだ場」(しいたけの畑)で栽培されています。菌(種コマ)を打ち込んだクヌギの原木に、2年間かけて菌糸が這いめぐり、春と秋、気候条件によってしいたけが自然発生するため、完全なる無農薬栽培。

菌床しいたけに比べ、収穫までにどうしても時間が長期でかかってしまう為、安定的な供給が難しいのと、手間暇がかかっている分、価格も高めになりがちです。

しかし、自然栽培で、長期間ゆっくりゆっくり育つため、その分「風味」は強くなる傾向にあります。

また、菌床栽培が生まれる前から存在する、日本古来の栽培方法なので、海外でこの栽培方法が採用されることはあまりなく、原木しいたけは外国産が非常に少ないことも特徴といえます。

◇菌床椎茸とは

おがくずを固めた20センチ四方ほどのブロック(菌床)に種コマを打ち、湿度の高い真っ暗な室内で発生を促して育てられます。

人工的に養分を与えることで、3〜6カ月のサイクルで次々に収穫できるので、1年中安定的に出荷ができるのが大きなポイントです。

原木栽培の場合は収穫までに2年間かかるので、菌床栽培はしいたけ業界に革命をもたらしたと言えます。

「原木椎茸」と「菌床椎茸」は、実際どちらがおいしいのか

結論を言えば、どちらも美味しいです(笑)

あとは正直好みかなと思います。

先にも解説したように、「風味」や「天然・国産」にこだわるならば「原木しいたけ」がおすすめです。

しかし、「しいたけの風味」が苦手な方、価格面が気になる方は「菌床しいたけ」になるでしょう。

僕自身しいたけは好きで、東京に住んでいた頃は「菌床しいたけ」を、大分に住んでからは「原木しいたけ」を主に食べていますが、風味に関しては「まったくの別モノ」だと感じます。

「原木椎茸」と「菌床椎茸」の「見た目の印象」

ちなみに外食をすると、たまに商品で見る「しいたけステーキ」や「ジャンボしいたけ」など、

あれらもほとんどは「菌床しいたけ」であることが多いです。

なぜなら「原木しいたけ」はどうしても価格が割高となり、また安定的な供給が出来ないためです。

つまり、「菌床しいたけ」は栽培期間が短いからといって、見た目も小さくなるわけではなく、むしろとても立派なモノも多いです。

逆に「原木しいたけ」の方が、自然栽培の中で虫や獣害の影響にさらされたりすることもあるので、「菌床しいたけ」に比べ「原木しいたけ」の方が、モノによっては見た目の印象が良くないケースもあるのです。

大分県のしいたけは生産量・品質、共に日本一⁉

大分県の乾きしいたけ生産量は国内生産量の約40%を占めており、全国一の生産量を誇ります。

日本椎茸農業協同組合連合会主催の「第67回全国乾椎茸品評会」が開催され、大分県が団体の部で21年連続、53回目の団体優勝を果たしましたのでお知らせします。
また、個人の部では、最高賞である農林水産大臣賞(優等)を5部門中3部門受賞し、林野庁長官賞(1等)を10名が受賞するなど大分県のシイタケ作りの底力を示しました。

上記から、大分県は生産量だけでなく、品質面もかなり評価の高いことがわかります。

今後の原木椎茸栽培はどうなるか

ちなみに、僕のおばあちゃんも、原木しいたけを栽培していました。

しかし、わざわざ山に菌種をつけにいかなければならなかったり、収穫までに二年間もの歳月がかかってしまったり、それまでに自然の影響(例えば豪雨)などにさらされてしまい収穫まで辿り着かなかったりと、総じて「非常に大変だ」と語っていました。

実際に周囲の「原木栽培農家」さんは後継ぎ問題を抱えていたり、原木の栽培自体、もうやめてしまったりしている方がとても多いみたいです。

なんだか寂しいですね。

効率的な栽培手法は圧倒的に「菌床しいたけ」に軍配が上がってしまい、実際にスーパーなどでみる「しいたけ」は「菌床しいたけ」で、その多くは外国産であったりもします。

今後栽培農家さんの数も減少し続けると、さらに「原木しいたけ」をお目にかかったり、堪能できる機会も失われていくかもしれないですね。

この記事を通し、もしスーパーなどで「原木しいたけ」を見かけたら、

購入してその「風味の違い」に感動してくれるひとが一人でも多く増えてくれたらうれしく思います(*^^*)おしまい

 

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