『高額療養費制度』は本当に万能か?思わぬ『落とし穴』について

こんにちは☺ちょっぷです☺

今回は、『高額療養費制度の思わぬ落とし穴』について解説します。

 

巷では保険不要論を唱える方も増加してきており、

その不要論を拝見していくと、

共通した根拠として伝えられているのが高額療養費制度の存在です。

 

保険が要るか要らないかはそのひとのご状況にもよりけりなので

今回はその論点にはあまり触れませんが

そもそも高額療養費制度は

それほど万能の制度なのかは考察しておくべきでしょう。

高額療養費制度は万能か

結論から解説してしまうと

高額療養費制度は、非常に手厚く優れた制度といえます。

ですが、必ずしも『すべてに対応・万能』とまでは言えないため

頼りにするには申し分のない制度ではありますが、本制度に依存してしまうのはよくないのかな

といった印象を持っています。

理由は次項で詳しく解説していきましょう。

高額療養費制度の概要

そもそも高額療養費制度とは

『ひと月の公的医療費の負担上限額を設けましょう』といった主旨で

ひと月の公的医療費が一定の上限を超えた場合、超えた分に関してはあとから還付される仕組みとなっています。

なお、負担上限額はひとによって異なりますが、一般的には約9万円が目安の上限額となります。

本制度のおかげで、

仮にひと月の医療費が15万円かかった場合でも約6万円は手元に戻ってきてくれることになります。

また、高額療養費制度には回数の制限もなく、

むしろ適用回数が重なった場合などは自己負担上限額をさらに軽減してくれる措置などもあるため、

本当に頼もしい、日本が誇る代表的な社会保障制度のひとつといえるでしょう。

高額療養費制度の思わぬ盲点

このように高額療養費制度は非常に手厚いため、

保険不要論を唱えるほぼすべてのケースにおいて

高額療養費制度の存在が挙げられているんですね。

しかし、本制度は”最早死角なし”といった訳でもありません。

その理由は、負担上限額の基準が『一か月間』といった点にあります。

例えば、

仮にガンに罹患しましたと、

そして、急遽入院・手術を行い、今月の医療費が8万円かかってしまい、翌月も入院・治療が継続し

翌月の医療費は6万円かかったとします。

その後も投薬や通院・経過観察などで

月々何万円単位で医療費がかかることもあるでしょう。

仮にこのようなケースの場合、

どの月も『ひと月の負担上限額』を超えていないため、高額療養費制度は適用できません。

さらに補足すると、

高額療養費制度の対象範囲は公的医療のため

入院に伴った食事代や差額ベッド代などは一切対象外となります。

そうなると、病気に罹患し、その治療にかかるトータルコストではゆうに10万円を超えたとしても

月を跨いだり、公的医療の対象範囲外費用だったりすると、

高額療養費制度は全く効果を発揮してくれないといったケースも考えられるのです。

 

そう考えると、本制度は確かに頼もしく手厚い制度であることは疑いようもありませんが、

これ(高額療養費制度)だけで大丈夫かといわれると、そんなことはない。といった結論になるでしょう。

改悪が続く社会保障制度

保険不要論を唱える方の中には

そうはいっても、月々10万円くらいの負担だったら、預貯金で対応できるよね?

 

だったらわざわざ民間保険に加入しないで、貯金しようよ!

このような意見もちらほら見受けられます。

それは確かに仰る通りだと感じる一方で

その緊急防衛資金を貯めている間の保障が足りていないといったケースや

保険適用外の差額ベッド代や食事代など、医療費以外の費用負担も考えると

中々そのような判断や万全な対策ができているという方も少ないのではないのかと感じます。

また、もう一点気にしなければいけないのは

高額療養費制度は、この手厚い内容のまま変わることなく継続してくれるのかといった問題です。

残念ながら日本は少子高齢化の影響によって、様々な社会保障制度が『改悪』の方向に舵を切っているため

高額療養費制度そのものが消滅することはさすがに考えづらいかもしれませんが

負担上限額が12万円、15万円、と、徐々に引き上げされていくことは十分に考えられる未来だと思います。

 

高額療養費制度に依存しきってしまい、

将来起こるかもしれない『改悪』や

月をまたぐような治療費などにより

想定外の事態に陥ってしまったとならぬよう、

制度主旨や今後の動向にもしっかりアンテナを張った上で

ご自身の方向性を固めておきましょう。

 

本日は、高額療養費制度についての解説でした。

それではまた!

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