独立を決めた原体験

いつかは、自分も「独立」したい。

このように考えている会社員の方も多いと思います。

僕自身も独立志向は強かった。だから気持ちはとてもよくわかります。

本記事は、会社員から独立すると変わること、また実際に僕が独立しようと決めた時の原体験を書きます。

会社員から独立し、大きく変わる事

会社員から独立して、大きく変わることがいくつかあります。

大きな違いとして挙げられるのは、

金銭面

時間面

責任面

信用面

この四つです。

会社員の頃は、毎月決まった日付で、口座に給料が振り込まれていたと思います。

独立すると、その当たり前は失われるので、自分の力で売上をあげ、お金を回収し、その中から自分や家族の食いぶちを確保していかなければなりません。

働く時間も自分次第です。

会社員と違い、働かなくても、何時間働いても、制限がない為問題はない。

責任面に関しても、仕事上でのミスや責任は、100%自分自身で負わなければいけません。

雇用した社員のミスも、すべて自身の責任となります。

信用に至っても、会社員の頃は「会社の信用」を借りて仕事がスムーズにできていたということを実感するはずです。経済社会は「信用」を何よりも大切にします。

そして独立したての頃は、「信用」が自身や自身の会社には蓄積しておらず、まったくのゼロの状態から積み上げていかなければなりません。

社会人時代の自身の顧客をそのまま引っ張ることができれば、ある程度楽なスタートがきれるかもしれませんが、それが望まれない場合だと、裸一貫で全責任を負いながら勝負していく必要があるということです。

会社員とフリーランス・個人事業主の違い

今後、独立を考えているならば、会社員時代の考え方は、ガラッと変えていく必要があります。

なぜなら会社員と、フリーランス・個人事業主の性格は「正反対」といえるものだからです。

一言でいえば、会社員とは「安定的で、守られているけど不自由な状態」であるのに対し、フリーランス・個人事業主は「不安定で、守られていないけど自由な状態」だからです。

僕自身が独立を考えたのは、会社員の性格である「安定的で、守られているけど不自由」な部分が、自身には合わなかったからです。

「守られているが、不自由」には、責任面や信用面もそうですが、強く感じるのは金銭面と時間面の部分だと思います。

次章からは僕が会社員時代、金銭面での「守られているけど不自由」な部分を痛感し、独立を考え始めた原体験です。

会社員の「守られているけど不自由」とは

僕が会社員として最初に勤めたのは、某大手販売店で、そこは「実力至上主義」でした。

自身や他のスタッフやお店の状況や他店舗の進捗まで、あらゆる数字が事細かに、誰でもいつでもリアルタイムで確認することが可能で、表示されるデータは自動的に順位付けもなされます。

店舗の規模が大きいところになると、スタッフ数は常に15人~20人程が働いているお店もあり、僕は退職する一年前くらいはその大規模な店舗に配属していました。

そして、手前味噌ですが当時僕は常にトップセールスをあげていました。

実力至上主義で、わかりやすく数字に順位付けされていると、店舗内では徐々にヒエラルキーが発生します。

芳しくない成績が続くスタッフは、徐々に販売ではない在庫処理などの裏方の仕事や、一日中レジを打ち続ける「レジ担当」という業務しか任されなくなってきます。

一旦その仕事が任されだすと、アピールする機会が失われてしまうので、数字をあげる花形の販売スタッフには中々戻れなくなります。

僕は販売で継続的にトップセールスを、

レジを任されたスタッフはレジ打ち業務を重ね、一年が経過したくらいで、あることを感じました。

それは、「成果の差異と給与の差異は比例しない」という事実です。

その頃僕は役職も上がっており、確かに給与も上昇はしていました。

ですが、「成果の差異に比べて、給与の差異はこんなものなのか?」という気持ちが正直な所で、

これまで通り成果は期待される一方で、追加で売り場の構築・他店交渉・在庫管理など、やるべき業務も多くなっている一方で、レジ打ちを任されたスタッフは、今日も変わらず一生懸命レジ業務に集中しています。

その時の彼に何を思う訳ではないのですが、「ああ、これが会社員なんだな」と痛感しました。

僕は、圧倒的に成果を出してるんだから、成果に比例した給与をもらっても罰は当たらないだろうと思っていました。

しかし、冷静に考えたら、基本的にそれは無理な話なんです。

なぜならそれを実現しようとすれば、変更点がもうひとつ存在するからです。

それは、

「成果を出せば出すほど給与を上げるとは、求められた成果がでなければでないだけ給与は大幅カットとなる」ことを意味するからです。

これは前述した「会社員の性格」を逸脱し、「フリーランス・個人事業主の性格」となってしまう。そして会社員の大きなメリットである「安定が失われ、守られなくなる」ことを意味している。

会社員は、「基本給与」が約束されている

基本給与とは、会社側からの「例え成果が出なくても、この給与分は満額でお支払いしますよ」というメッセージである。

つまり、成果を出すひと、出さないひと、両方考慮したうえでの給与体制で、

成果をだすひとが、成果をださないひとのマイナス分を補填しているともとれるのだ。

したがって、成果を出せば出すほど、自身の給与が上がることを望むのは、会社員の構造上難しい。

これが僕が痛感した、金銭面での「安定、守られているけど不自由」の正体である。

そして一か月後、僕は辞表を提出した。

僕が求めていたのは、「不安定で、守られていないけど自由」

つまり、リスクもリターンも自分次第である、フリーランス・個人事業の方だったからである。

独立する上で最も大切なこと

僕が「独立する上で、何が最も大切か」と聞かれたら、即答で答えていること

それは「覚悟を決めること」これだけである。

なんだよそれ~( ゚Д゚) つまんな~( ゚Д゚)

と思われるかもしれない。しかし、僕の周囲の先輩経営者も、口をそろえてこの言葉を語っている。覚悟すること。独立する上でこれ以上大切なことは存在しない。もちろん覚悟するまでに技術や知識を勉強することは大切である。しかし、技術や知識を高く保有していても、独立できない(しない)ひとは山ほどいる。

なぜなら人生を左右する選択をするとき、ひとは「損失回避」のバイアスが大きくかかり、楽な道(リスクのない道)を選択するようにプログラミングされているからだ。

したがって、「リスクを受け入れる覚悟」がない人間は、独立を選択できはしない。

理由は前述した通り、これまで会社員としてやってきたことと「正反対の考え方」になるからだ。

これは、独立する前、「本当に自分にもできるのか?」と感じる「多大なリスク」と向き合うことを意味する。

ここで生半可な覚悟の場合、「損失回避バイアス」が働き、独立を選択することはできやしない。自分も周囲も納得できるような「天才的な言い訳」をいくつも思いつくはずである。

だから、覚悟を決めること。独立する為にも、独立した後にも、必ず覚悟を伴う選択はやってくる。

独立を目前にして、腹をくくれないと感じるのであれば、その後も独立なんてできはしない。

ここまで伝えると、もしかしたら「自分にはできないかもしれない」と弱気になってしまうかもしれない。

だから最後に、覚悟を後押しする言葉を送って、本記事の終わりとすることにします。

・将来の不安は水増しされている

・失敗したら、会社員に戻ればいい

実は、独立したあと、「なんであんなに恐怖を感じていたのか」と語る経営者はとても多い。ちなみに僕もその一人です。僕も本当は不安で仕方なかった。独立前はいつも、静かな興奮と大きな不安が心に同居していた。

でも、実際独立してみると、不安なんて大したことはななくなる。後はやりきるだけだ。

そして、失敗しても、また戻ってこれる。

独立は、片道切符じゃないことも、知っておいて損はない。

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