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コロナウイルスの影響で、最早期に廃業を決断した企業の赤裸々な実態
2020年11月に発売されたこちらの本は、著者がご自身のご経験を無料アプリ「note」に投稿し、それが2日間で140万PVを記録するほどの反響となり、遂には書籍化に至ったという本となります。
本の内容は著者が起業してからコロナウイルス前後までの生々しい経営の実態が赤裸々に語られています。
実際に自分に活かせる本は、大企業よりもまだ若い企業の奮闘である
例えば、ビジネス書の金字塔と言われている「ビジョナリーカンパニー」や2019年ビジネス書総合ランキングで賞を獲得した「GAFA」等も、もちろんおもしろい内容だし、
ああ、すごいなあ…( ̄▽ ̄)
と感じますが、
それが自分自身に落とし込めて活かせることがあるのか?と問われると、正直スケールが違いすぎて厳しいなと感じてしまいます。
「知る」「知見を広げる」という意味ではとてもいい本だと思いますが「活かせる」部分は、個人的には少ないんです。
日本の中小企業の割合は実に99%なので、個人的にはスケールの大きい大企業の本を読むよりも、起業したての会社や、できるだけ小さい会社の生々しい経営実態などが記載された本を読んだ方が、「自分自身に活かせる」という意味では、とてもよいと思っています。
本の内容・構成
今回ご紹介するこちらの本は、僕自身とても勉強になりましたし、実際僕も同じ飲食業で経営もしていた経験があるので、他人ごとではなかったし、読んでいて泣いてしまった部分もありました。
今後起業を考えている方や、今現在コロナウイルスの影響により経営に苦しんでいる方にも、是非読んでいただきたい本だと思います。
こちらの本の構成や内容は、
・起業前後の苦悩
・飲食店経営の実態
・マネジメントの難しさ
・家族の支え
・コロナウイルスの影響による経営状況の具体的な変化
・事業清算という決断までの流れ
・清算決断後の従業員や取引先とのやりとり
・その後の展望
このような形でまとまっています。
事業清算や廃業を赤裸々に告白している本は少ない
コロナウイルスの影響により、事業清算したというだけの本ではなく、
起業したての頃からの、経営者になってみて初めてわかる苦悩や努力、まわりの方の支えや自身との向き合い方など、おそらく起業したての方であれば誰もが経験するであろう内容を、赤裸々に語られています。
特に僕自身に響いたのは、家族(妻)の支えの部分と、清算決断後の従業員や取引先とのやりとりの内容のところは、自分と重なる部分も多く、思わず涙が流れてしまいました。
僕がビジネス書で泣いたのは「不死鳥フェニックス」に次いで2作目です。
実際に日本ではたくさんの会社が倒産、廃業しています。(僕もその一人です)
民間の調査会社によると2019年の国内の倒産件数(負債総額1000万円以上)は8383件です。単純計算で毎日約22社の会社が倒産していることになります。
ですが、このような形での事業清算を実際に経験したということを題材にした本は少ないですし、実際に倒産、廃業したという方にそのようなお話を伺うことも少ないと思います。
(僕の場合は事業開始時に廃業時期も決めていて、数字的には好調時に廃業したレアケースです)
著者はとても勇気のいる決断だったと思いますし、だからこそこれほど多くの反響を頂いているのではないかなと思います。
まとめ
今現在もコロナウイルスの影響の渦中にあり、特に飲食業、観光業は今でも未曽有の事態となっているでしょう。
ネガティブな情報や状況が続く日々ではありますが、そのような中でも、仮に事業を清算したとしても、また全ての荷を下ろして再出発すればいいだけだ。無くなったのは資産だけで、経験そのものは無くならない。ということを前向きに伝えてくれる良書でしたので、特に今、大変な思いをしている方々にこそ読んでいただきたい本なと思います。
添付しているので、興味がある方はポチりしてみてください。おしまい
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