【飲食業は楽な商売⁉】飲食業に従事するきっかけとなった書籍【トマトが切れればメシ屋はできる。栓が抜ければ飲み屋が出来る】のご紹介

こんにちは☺ちょっぷです☺

本日も元気よく本のご紹介をしていきます☺

今回ご紹介するのは、「トマトが切れればメシ屋はできる 栓が抜ければ飲み屋が出来る」という、外食、居酒屋の素晴らしさや、繁盛店の作り方や在り方等を伝えている作品となっています。

本作の著者は「居酒屋の神様」

こちらの著者は、「楽コーポレーション」の社長である、宇野隆史氏です。

宇野氏は、外食業界ではかなり有名な方で、

「居酒屋の神様」という愛称で呼ばれています。

また、「楽コーポレーション」も、外食企業として、非常に高い実力と認知度を誇ります。

(いいお店を発見した!)と感じて、

よくよく調べてみると、(ここも「楽」出身だった!)ということも多々あります。

余談ですが、「看板のないお店」を手掛けることで有名で、尚且つ東京都内で大繁盛店を何店舗も手掛けている「ベイシックス」の社長も、「楽」出身として有名だと思います。

人と関わる仕事に従事する、すべての方に読んで欲しい一冊

そんな外食の大御所が書かれている本を、僕自身が初めて読んだのは、約10年前。

本屋さんを散策している時、たまたまパッケージに目を引かれて、購入したことがきっかけでした。

内容がおもしろく、一気に読本した後、「僕のやりたいことはこれだ!」と感じ、その後、その勢いのままに飲食業界へ飛び込むこととなった。

つまり、僕の飲食人生のルーツに当たる本なのである。

今回ご紹介する本は、

飲食業に従事している方はもちろん、サービス業や接客業など、人と関わる仕事に従事している、すべての方にお勧めできる本となっています。

本の内容

本書は、著者の経験を元に、

居酒屋のありかたや繁盛店の作り方、店長や、独立を目指すひとに向けた心構えや条件、飲食業の楽しさなど、具体例をふんだんに取り入れながら語られています。

ざっくりとした内容は次の通り。

☆儲からない店なんて、絶対にない

⇒こう考えれば、店は繁盛する

⇒店長に実務ノウハウはいらない

⇒お金のいらないアイデアの集め方

 

☆人通りのない場所にこそ店を作れ

⇒人通りのない場所で店が流行るわけ

⇒不動産屋から、良い物件を紹介してもらう方法

⇒「人なし、金なし」が最強の武器になる

 

☆料理ができなくても、人気メニューはできる

⇒当たり前のメニューを特別にする方法

⇒コストを下げてもお客さんの満足度が上がる方法

⇒お客さんが喜ぶ、客単価を上げるメニューを作る

 

☆お客さんを喜ばすのは簡単だ

⇒木下藤吉郎の「草履」が語り継がれるわけ

⇒「ヒマ」の一言は口にするな

⇒接客の天才は経験が作る

 

☆売ろうと思えば、じゃんじゃん売れる

⇒チラシを配ってもお客さんはこない

⇒素人には素人の売り方がある

⇒絶対に売り切れるメニューの勧め方

いずれも、わかりやすく軽妙な語り口で「簡単だよ~。やってみてね~。」と、語りかけてくれるような内容となっています☺

飲食業は、本当に「大変」なのか

店舗ビジネス、特に飲食店は、「大変」だと言われがちな部類の職業だろう。

「きつい・汚い・危険」の頭文字をとって呼ばれた「3K」という言葉も、記憶に新しい方も多いことだろう。

しかし、著者の宇野氏は、「飲食業」は「楽な商売」と断言している。

10年前にその内容を読んだときは、「これだ!僕がやりたかったのは、この商売だ!」と、痺れたものだ。

僕が痺れた部分を、以下に抜粋してご紹介しよう。

飲食の世界に入って、オレももう四十年以上になる。

つくづく思うのはさ。やっぱり飲食業ってのは、「楽な商売」なんだよね。みんなさ。よく、お客さんが入らないとか、なかなか思うように売れないとか、大変だ大変だ、って言うよね。でも、オレたちが売っているものを作っている人たちの苦労に比べたら、とても大変だなんて言えないと思うんだ。

だってさ。農家の人は、おいしいトマトを作るために、畑を耕したり、草むしりしたり、天候と闘ったりしているわけでしょ。

ビールだって、すごい数の人がすごい研究を重ねて、立派な工場を建てて、おいしい製品を作り上げる。そんなふうに、たくさんの人が一生懸命時間をかけ作り上げたものを、お客さんに「おいしいでしょ」って食べたり、飲んだりしてもらう努力なんて、努力の内に入らないと思うんだよね。

楽しいと思ってやらなきゃ、ウソだと思う。だってさ、草むしりなんてオレ、五分もやったらへばっちゃうよ。

本の冒頭に書き添えられているこちらの言葉は、おそらく「楽コーポレーション」の根幹部分なんだと感じてしまう。

「楽コーポレーション」の「楽」の字も、このような想いからきているのではないかと推察できる。

確かに、スーパーで100円で売っているトマトを、スライスしただけで、300円も頂けるような商売だ。

さらには「安い!」や「リーズナブル!」なんて言われてしまうことだってある。

それらの客観的な事実だけを切り取ってみてみると、なるほど「大変だ」なんて、口が裂けても言えなくなるのかもしれない。

外食の売っている価値

前述したように、自炊による「内食」や、調理されたお惣菜などを購入するような「中食」に比べて、「外食」は、総じて値段が高い傾向にある。

それは、食材費だけでなく、サービスを行うスタッフの人件費や、店舗運営に関わる諸経費なども、商品の価格に含まれているからである。

したがって、価格面で劣る外食は、「価格以外の部分」にも注力する必要性があるだろう。

そんな「外食の価値」となるような「種」が、本作の中で随所に散りばめられている。

例えば次のようなエピソード。

◇あえてメニューに「食べきれないくらいの大きさ」のカツをだして、残した分は持ち帰ってもらうようにした。サービスで、薄いパンを二枚添えて。それだけで、お客さんの翌日の朝食やお弁当にもできるし、そうすることで、翌日以降もお店のことを覚えてもらうことができるだろう。

 

◇ウイスキーを瓶ごと冷凍庫に入れて、トロトロの状態にしてから提供する。お客さんにとろみが見えないと意味がないから、客席まで瓶を持って行ってから、グラスに注ぐんだ。炭酸は別の小瓶に入れて出して、お客さんの好みで割ってもらう。こうするだけで、ハイボールがより一層、魅力的になるし、お客さんと話すキッカケもできる。

 

◇デザートを売り込みたくて、サービスでアイスクリームをつけ合わせることにしたんだ。これだけ聞くと(なーんだ)と思うかもしれない。でも、ただキッチンの中で付け合わせるようなことはしないよ。付け合わせのアイスクリームは、カートンをお客さんの目の前にもっていって、(サービスしときます!)と言って付け合わせる。そうすれば、お客さんの反応は、俄然、大きくなる。同じ内容でも、すごく得した気分になるはずだ。うまくいけば、お連れの方も同じように注文してくれるかもしれない。

著者である宇野氏は、

このメニューをだしたら、お客さんがどんな反応を示すか。どう出したら喜んでもらえるか。そこまで想像することが大切だ。

このように伝えられている。

そして、どのアイデアにも共通して見受けられるのは、「スタッフとのやりとりを生む仕掛け」だということ。

なぜならば、店内で真に売り込むべき、最も価値あるモノは、ひとであるスタッフだからである。

お客さんの心をつかむのに、特別なノウハウはいらない

僕もお店を経営している時は、スタッフに対して、

(お客さんをみんな自分の親戚と思って対応すれば、いいサービスができるよ。)と伝えていました。

鏡の法則ではないですが、相手を思い遣り、大切にする気持ちや行動が伝わることで、結果的にそのひとやお店も大切にされていき、愛されるお店が形成されるんだと思います。

本作でも同じようなことが書かれてあったので、以下抜粋。

どうしたらお客さんが喜ぶのかと考えるのは、すごくシンプルなこと。恋人にプレゼントを贈るときは、どうやったら相手が喜ぶかを一生懸命考えるでしょ?それと一緒なんだよね。接客はテクニックじゃない。どれだけ相手が喜ぶことを考えているかなんだ。

痺れたのは、次の言葉。

よく、「客の身になって考えろ」と言うでしょ。あれは、「客の身」と考えるからよく分からなくなる。「客」ではなくて、「自分」なんだよね。どんな店だったら「自分が」楽しいか。それを考えれば、おのずといい店ができる。

「安さ」で勝負をしない理由

宇野氏は、「安さで引き付けるような商売はやらない」と断言している。

僕も独立前に(値引き割引の類はやらない)と、心に決めて独立しました。

僕の場合は、そこで勝負しても大手外食チェーンには太刀打ちできないから。といった理由でしたが、宇野氏はその理由を、シンプルに(つまらないから)だと語っている。

値段が安いから人が来る店じゃなくて、行くと楽しいからつい足を運んでしまうような店をやりたいんだ。お客さんと楽しく話をしながらメニューを売る。そうすれば、自分も商売を楽しめるでしょ。

飲食だけではなく、仕事の本質は、「作業の繰り返し」といえるだろう。

したがって、日々の作業の中で、どれだけ楽しさを見出せるかどうかで、仕事が楽しいか、つまらないかが別れてくるといえる。

そして、自分自身が楽しんでいるお店が、お客さんにとって、楽しくないお店のはずがない。

「売る力」をつける

過去の記事で、売上は二種類存在するという記事を書きましたが(その時の記事はこちらから)

売る力をつけるということは、本当に大切なことだと思います。

また、安売りをしないと決めることで、売るためのアイデアを絞り出さなくてはならなくなります。

もし、安売りに走ることができるならば、それはとても簡単なことですからね。

そういった意味でも、安売りの封印は、強い意味を持ちます。

逆に言えば、周囲よりも若干高めの料金設定にしていても、きちんと集客できているのであれば、きっとどこの場所でも通用する可能性が高くなることでしょう。

本作の中でも、「売る力」に関して、非常にこだわっていると感じるエピソードを、抜粋してご紹介します。

うちのある店でね、魚に力を入れようっていうんで、いけすにアジを入れて、客席から見えるようにしているところがあってね。(何本売れる?)って店長に聞いたら、(20本売ります!)って言うわけ。バカじゃないかって怒った。

「売る」っていうなら、20本なんて半端な数じゃなくて、50本、100本と、本当にスゴイって思えるくらいの数を売らなきゃ意味がない。(余ったらどうするんですか?)なんて考えるヒマがあるなら、絶対余りは出さないという気持ちで一人でも多くのお客さんに声をかけないとダメ。

余りそうだったら、氷の上に生きたピチピチのアジを載せて(売り切りたいんで、新鮮なアジどうですか?)って客席に持っていけばいいじゃない。お客さんは絶対(おっ!)と思って、オーダーしてくれるよ。それでも迷っているようなら、(じゃ、プリンもつけちゃおう!)なんて畳みかけてもいい。最後は原価を取れればいい、と思うくらいの覚悟で高い目標を設定して売り切らなければ、「売る力」なんていつまでたっても付きやしない。

景気が悪い時こそ

景気が悪く、業界全体が落ち込んでいる時は、どうしても、何かのせいにしたくなると思います。

しかしそんな時、安売りに逃げてしまうことをやめると決めたら、(売上のためには何が必要か?)ということを真剣になって考えると思います。

そういった意味では、景気が悪い時こそ、お店の底力をつけるべき時なのかもしれません。

「売る」ために、考え付いたことは全部やってみる。

当たってもはずれても、それらはすべてお店の底力となり、ご自身の財産となってくれることでしょう。

まとめ

本書は、僕が飲食業に従事するきっかけとなった本であり、また僕自身、お店で頑張ってくれていたスタッフへ向けて、たくさんプレゼントしてきた本でもあります。

つまり、個人的に最高におすすめの本なんです☺

飲食業だけでなく、ひとと関わるお仕事に従事するすべてのひとに、大切だけど忘れがちな「きっかけ」を与えてくれる、とてもいい本だと思います。

読んだことがない方は、是非一度、目を通してみてください☺おしまい☺

 

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