日本は年々貧しくなっている。
この言葉を聞いて、ピンとくるひとは少ないかもしれない。
なぜなら、ぼくたちの生活は、5年前、10年前からそれほど変化していない。
お昼に600円の弁当を食べて、夜に800円のラーメンを食べるのは、昨日今日始まった話ではない。ずっと同じような生活をしていた。
同じ生活をずっと続けられているというのに、
日本が年々貧乏になっているとは考えられないかもしれない。
しかし、変わらない光景がそこにあるということは、裏を返せば、10年前から物価がほとんど上がっていないということでもある。
目次
日本に訪日観光客が押し寄せる「本当の理由」
グラフの通り、訪日観光客は右肩上がりで上昇している。
2019年には3188万人と過去最多を記録した。
みなさんもニュースで
日本に訪れた観光客が爆買いしている映像など、一度は見たことがあるのではないだろうか?
近年これほど日本へ観光客が押し寄せている理由は、
日本の観光キャンペーンが上手なわけでも、日本の自然の風光明媚さが外国人の心を掴んでいるわけでもない。
ただ単純に、自国より日本で購入する方が安いからである
自国でモノを買うより日本で買う方が安い国が年々増加し続け、その国のひとたちが押し寄せてきている結果で、
僕たちが変わらない生活を送っている間に、他国は所得が増加していき、よりリッチになり、それに応じて物価も上昇し、日本に行ってでも買い物したほうがお得だという状況になっている。
例えば、100円均一のダイソーは、中国では10元(150円)均一で、ニューヨークでは1.9ドル(約200円)均一である。
日本はもはや「安い国」。そしてその状況は今後も好転しない
日本は世界的にみると、「安い国」ということである。
そして、この状況は今後も変わらないことが予測できる。
なぜなら日本のGDPはずっと横ばい、またはマイナス成長で、
10年後の2030年以降もマイナス成長、またはほぼゼロとの予測が支配的だからである。
日本の借金は世界一
日本が世界的に貧しくなっていたとしても、日々の日常が変わらないのであれば、別にいいのでは?
という意見もあるだろう。
しかしそんなことも言ってられない。
「日本の借金額がとてつもない金額だ」
という記事やニュースは、一度は見たことがないだろうか?
国の財政の健全度を示す、債務残高というものがある。
これは対GDP比のことで、GDPが国内所得とすると、このGDP比は0%に近ければ近いほど収支がトントンという状態で、健全といえる。
このGDP比が、2018年時点で、237%という結果であり
IMF(国際通貨基金)の調査国、全188か国中、188位であった。
圧倒的に収入より支出の方が多い状態が続いているということである。
この結果から、対策として、使うお金を抑えればいいと考えるかもしれないが、そう簡単な話ではない。
日本は今後更に少子高齢化が加速するからだ。生産人口の減少と老齢人口の増加に伴い、医療・介護費用は年々大きく膨らむ一方である。
ちなみに、2019年度に124兆円だった社会保険関係の総支出額は、2040年度には190兆円に拡大すると予測されている。
この財源を確保するために、国はなにをすべきなのか?
そしてその国にいる僕たちには、どのような影響があるのだろうか?
みなさんも他人事ではなくなってきただろうか。
国の財政、歳入を増やす為には
今みなさんの頭の中には、消費税増税が浮かんでいると思う。
2019年10月に8%から10%に引き上げられたのは記憶に新しいからだ。
しかし、消費税を2%引き上げだけでは、歳入を満たすに至っていない。
国際機関のまなざしも厳しく
OECD(経済協力開発機構)は消費税を最大26%に、IMFは15%に引き上げることを日本に提唱している。
しかし、安倍晋三前首相は今後10年程度は消費税増税を行わないという方針を示した。
これが現政権でも守られていくのであれば、財源はますます悪化していくのは間違いない。
消費税増税を行わないのであれば、社会保険料を引き上げる
GDPの成長も見込めない中、財源確保するためには、結局のところ、どこかから歳入を増やすしかない。
そこで目をつけられているのが、社会保険料だ。
そもそも、社会保険料はすでに上昇の一途である。
みんなの賃金は、10年前と比べ、何%上昇しているだろうか?
実は、10年前に比べて、全体の賃金上昇率は3%しか伸びていない。
そして、社会保険料負担率は10年前より26%も増加している。
実は国の赤字に伴い、僕たちの収入にも多大な影響が起きていて、
気付かないうちに自動的に吸収されるお金は年々増加している。
端的に言えば、手取り額は年々減少しているということである。
これが、日本の実情で、日本が年々貧乏になっているという大きな理由である。
変化する為の第一歩は、情報を正しく知ること
おそらく今後も政府の歳入を多くするために
僕たちの財布からより多くのお金が吸収されていくのは間違いないといえる。
そうなると、実質手取りは減少し続ける。
環境に対応して、変化できるものが生き残るのは間違いないだろうが、
変化する為には、現状の情報を整理して、自分で正しく持つことが、その第一歩である。
サーフィンだって、波を見つけられなければ乗ることは不可能で、正しく知ることはとても大事なことである。
また情報を正しく捉えていると、「変化したほうが良い」というメッセージも受け取れるようになってくる。
例えば金融庁が示した老後の年金2000万円問題がそれだ。
あれは、
「日本人の好きな、預貯金という既存のやり方のみに依存せず、金融サービスも駆使しながら、個人で老後資産をつくりなさい」というメッセージともいえる。
そもそも半世紀前につくられた年金制度が、変化の激しい現代で通用すると考える方が不自然だろう。
僕たちは、変わらない日常を生きているようにみえるが、その実、世界はめまぐるしく変化している。しっかりアンテナを張り、正しい情報を吸収しよう。
ネットさえ繋がれば、得られる情報はみな平等だ。
何からしたらいいかわからないというひとは、まずは僕のブログをブックマークしてみることが、あなたが選ぶ、現時点で最高の選択かもしれない。(笑)おわり。
参考著書:2040年の未来予測 著者 成毛眞さん
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