日本人の”極端な”駆け込み需要は損かお得か【モノの値段の決まり方】

消費増税と駆け込み需要

日本では、

2014年に消費税が5%から8%に引き上げられた時、「駆け込み需要」が発生しました。

◇駆け込み需要

 駆け込み需要(かけこみじゅよう)とは、値上げや販売終了といった消費者にとって好ましくない事態の発生を理由に、その事態になる直前に商品の需要が増加する現象をさす。※Wikipediaより

また、2019年10月に、8%から10%に再度消費税が引き上げられた際にも、

同様に駆け込み需要は発生しました。次の表を参照。

こちらの表はインターネット上に広告プラットフォームを提供する”Criteo”が、消費増税前後の購買データ分析結果を発表したものとなります。

▽以下引用

2019年10月の消費増税による売上動向を見ると、小売業全般で同年8月平均に対し、増税前の最後の週末となった9月28日には、56%増を記録し、増税直後の落ち込みは16%減にとどまりました。

2014年度に発生した”駆け込み需要”では、その分増税直後に購買の落ち込みが顕著となりましたが、2019年度では、そこまで大きな減少とはならなかったみたいですね。

いずれにしても、”駆け込み需要”そのものは、売上動向に一時的なインパクトを与えるものといえそうです。

しかし、この”駆け込み需要”、実際に「本当にお得なのか」しっかり考えたことはあるでしょうか?

今回は、「価格の決まり方」と「駆け込み需要」に関する考察をしていきます。

日本特有の”極端な”駆け込み需要

駆け込み需要そのものは、欧米諸国でも発生するけれど、

食料品や日用品まで、

「とにかく買えるだけ買っておこう」

「なんでもかんでも買ってしまえ」という

”極端な”駆け込み需要は、日本だけにみられる独特な現象だと言われている。

この違いには、日本と欧米諸国の「経済の学びの差」にあると考えられるだろう。

金融教育の差が、「駆け込み需要」に表れる

アメリカなどの欧米諸国では、子どもの頃から金融教育を導入されているといいます。

実際に10歳ぐらいの子どもでも、

単元未満株どころではなく、本格的な株を持つことも珍しくないそうです。

▽詳しく知りたい方はこちらを見てみてください(*^^*) 良書です。

 

それに比べて日本は、経済やお金に関することは、学校では教えてもらえない。

自分で勉強しない限り、社会や経済、お金の構造や仕組みを理解できない構造となっています。

そして、日本人は、ひとたび社会にでると、能動的には勉強を行いません。

▽下記記事参照

日本人の学習に対する姿勢

”極端な”駆け込み需要は

欧米諸国との経済の仕組みに対する「学習の差」が

如実に表れてしまう好例だといえます。

モノの値段の決まり方

モノの値段はどのように決まるのか。

それは次の通りで、原理は実にシンプル。

✔買いたいひとの数

✔売りたいひと(商品)の数

買いたいひとの数より、

売りたいひとや、商品の数が少なければ、

自然と次のようなひとが表れる。

「他のひとよりもっと多くのお金を払うから、是非自分に売ってくれ」

と。そのような状態が続くと、

売りたいひとは、

「もっと高くても売れる!」

と思うから、値段を高くする。

逆もしかりで

買いたいひとの数に対して、売りたいモノの数が多くなると

「もっと安くしないと買ってくれない。。」

となり、自然と値段は下がっていく。

最終的に、買いたいひとが

「この値段なら買ってもいいかな。」

と感じる値段に落ち着くはずだ。

これが、”値段の正体”で、

要は「需要と供給のバランス」で、値段は決まる。

値段の正体がわかると、駆け込み需要は得なのかどうかがわかる

駆け込み需要は予測できる。

なぜならば、駆け込む理由が”明らか””わかりやすい”場合に発生するものだから。

つまり、買い手側だけではなく、

売り手側も「一時的に売れる」ということを予測できている。

駆け込み需要は、

売り手側は一時的に”何もしなくてもたくさん売れる状態”になる。

その時に、わざわざ売り手側は値段を下げたりするのだろうか。

むしろ、増税後の反動時に向けて準備しているのではないだろうか?

このように考えると、上昇した消費税分以上の値下げを行う売り手が表れても、なんら不思議なことはないことが理解できるだろう。

欧米諸国と日本における”極端な”駆け込み需要の差は、

「モノの値段の決まり方」という、経済の基本知識を、頭にいれているかどうかが明らかになる事例と言えるだろう。

欧米諸国の駆け込み需要

「とにかく買えるだけ買っておこう」という日本式の駆け込み需要ほどではないが、欧米諸国も駆け込み需要は発生する。

では、日本人よりも「経済の基礎知識」を備えた欧米諸国は、どんな駆け込み需要を発生させているのか。

それは主に、「売り手が絶対に値引きしないもの」だと考えられるだろう。

例えば、定期券やチケットのようなものは、増税前に購入しておいた方がいいと判断できる。

つまり、駆け込み需要がお得か損かを考えるには「買うべき商品を見極めによる」といえる。

目先の増税に気を取られ、日用品からなにからなにまで購入しようと行動するのは、知らず知らずに「損」をしてしまっているのかもしれない。

学びの大切さ・まとめ

今回は、日本特有の駆け込み需要にフォーカスしたお話でしたが、

このように、知っているか、知らないかだけで、

世の中の見え方や、そのひと自身の行動にも変化を及ぼす結果となるでしょう。

”極端な”駆け込み需要そのものは、経済を理解しているひとが少ない、日本人だからこそ

発生してしまう現象なのだということも考えられます。

今回のお話で特にお伝えしたかったのは、「勉強しよう」ということです。

日本人は賢い。

ただ、知らないだけ。

だって、他の国に比べて、経済やお金の勉強が導入されていないから。

島国で、比較対象もいなくて、そのような状況に疑問が持てず、知らないことに慣れてしまっただけ。

だから、勉強する必要性を理解したら、これから勉強しよう。

少しずつでも、経済やお金の仕組みについて勉強しよう。

きっと、世の中の見え方が変わってくる。

勉強は、楽しいもので、贅沢なものだから。

一緒に学んでいきましょう(*^^*)

▽記事の参考著書はこちらから

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